ナイスミドルになりたい~松本孝行のブログ~

教育とか雇用とかの社会問題、後は趣味のマンガを中心にしたテーマで書いてます。アゴラや自社サイトにかけないだろうなーっていう話題がメインです。

フリーランス・個人事業が知っておきたい、老後安心するための仕組み

ウェブサイト制作や情報処理の授業をしていると、必ず1~2人はフリーランス・個人事業になるという方が現れる。就職後に1年してからフリーになる方もいるが、相談もよくされる。もちろん仕事の内容やウェブサイト制作に関するスキルの話、仕事をどのように取ってきたらいいか?などが最も聞かれる。

他にも「フリーランスになったら正社員よりも不安定。特に老後のことが心配」と何十年先のことを心配する人もいる。確かに正社員よりもフリーランスのほうが不安定で将来の保障もないかもしれない。しかし実、はフリーランスでも老後に退職金をもらえたり、年金を多くもらえる仕組みがあるのだ。

老後の安定のためには稼ぐことが大前提

とはいえフリーランスで安定し、安心して老後を過ごすためには何よりも「稼ぐ」ことが大事だ。よく「個人で仕事をするなら、サラリーマンの3倍は稼がないといけない」と言われるが、3倍とは言わないまでも2倍くらいは稼がないと厳しい。手取り20万円のサラリーマンになりたいなら40万円を、30万円手取りがほしいなら60万円ほど稼ぎたいところだ。

サラリーマンの場合は大企業だと窓際社員になって、特に仕事をしなくても給与をもらうということもできるかもしれない。フリーランスはそうはいかない。仕事がなければ給料はゼロだ。とにかく、まずは稼ぐことが大前提だ。

「小規模企業共済」と「iDeCo」の2つを契約しよう

フリーランスとして独立したなら、少額でもいいのでiDeCo小規模企業共済を契約すると良いだろう。この2つの仕組みは正社員のように仕事を引退した後に安心して生活できるように、個人事業主向けに作られたものだ。

この2つの制度の最大のメリットは「全額所得控除に使える」ということだ。所得控除、つまり節税になるわけだ。例えば売上300万円、経費が150万円かかったとした場合、事業所得は150万円になる。この事業所得から基礎控除48万円を引いて所得税や住民税、国民健康保険などは計算される。

だから所得の金額が大きければ大きいほど税金や保険料は高くなるのだが、さらに所得を圧縮して減らす方法がある。それが「控除」というもので、小規模企業共済とiDeCoの掛け金は全額所得控除になるのだ。極端な話、小規模企業共済とiDeCoの掛け金が102万円であれば、

事業所得(300万円)ー経費(150万円)ー基礎控除(48万円)ー小規模企業共済とiDeCo(102万円)=0円

というように、所得をゼロにすることが可能なのだ。所得がゼロならば税金は当然かからないし、国民健康保険は最低金額になる。このようなメリットがあるからこそ、小規模企業共済とiDeCoはフリーランスになったときに便利な制度なのだ。もちろん、あくまで利益を出して稼いでいるという前提だが。

小規模企業共済は個人事業向けの退職金

小規模企業共済とは簡単にいえば、個人事業主や小さい企業の社長向け退職金制度だ。あらかじめ契約後に掛け金を支払うことで、一定年齢以上になった際に退職金的に手にすることが可能だ。

こちらのシミュレーターから計算することができる。下記は30歳から独立し、65歳になるまで毎月1万円の掛け金を支払った場合だ。35年と1ヶ月支払う形で421万円の支払いになるが、その頃には506.5万円を退職金的に受け取ることができるのだ。

小規模企業共済を30歳から1万円ずつ支払い、65歳になったときに受け取れる金額

小規模企業共済を30歳から1万円ずつ支払うと、65歳で500万円の退職金が

ウェブサイト制作系の会社で大企業なら退職金もあるかもしれないが、中小企業であれば退職金がない会社も多い。それに比べれば圧倒的に有利だろう。ちなみに最大で毎月7万円かけることができるのだが、その場合は30歳からかけ続けると、65歳には35,455,000 円 を受け取れる。大企業の平均を超える金額を退職金を受け取れる。

もちろん7万円毎月かけるのはなかなか大変だが、それなりに稼げるようになれば、大企業の社員以上に退職金をもらえ、安定した老後を過ごすことができる。老後に必要な2000万円だってこの小規模企業共済でもらうこともできるだろう。

iDeCoは個人事業主のための厚生年金

もう一つがiDeCoだ。iDeCoとは個人型確定拠出年金と言われるもので、自分のお金を運用して、年金として受け取る制度だ。一種の投資だが、こちらも控除ができるし小規模企業共済と一緒に使うことができる。

フリーランスになったときの不安として、もう一つ言われるのが「年金が国民年金しかない」ことだ。厚生年金や共済年金がないため、もらえる年金の額が少ない。なのでそれを補うのがiDeCoというわけだ。国民年金は毎月6~7万円だから、あと10万円ほど貰えれば、十分やっていけるだろう。それをiDeCoで補うというわけだ。

iDeCoの場合、自分自身で運用先を選ばなければならず、掛け金と運用実績によって大きく貰える金額が変わる。例えば掛け金1万円と2.0%の運用利回りの場合、542万円ほどの金額を年金の上乗せしてもらえる(シミュレーターはこちら)。

掛け金1万円、運用利回り2.0%で計算したiDeCoの結果

掛け金1万円、運用利回り2.0%で計算したiDeCoの結果

これが運用利回りが3.0%になれば670万円と130万円も伸びる。もちろん掛け金も大事だが、運用利回りも大事ということになる。運用利回りは世の中の景気にも大きく左右されるので、運・不運もある。運用については1~3年に1度は見直したほうがよいだろう。

まずは少額の掛け金で加入しておこう

節税については他にも寄付や生命保険、経営セーフティ共済、ふるさと納税などもあるが、まずは王道の小規模企業共済とiDeCoに加入しておこう。小規模企業共済は1000円から、iDeCoは5000円から加入できるので毎月最低金額は6000円だ。仕事が波に乗り、徐々に支払える金額が増えてきたら掛け金を増やしていけばOKだ。

掛け金が増えていけば行くほど所得控除が増えて節税することができるし、小規模企業共済とiDeCoの受取額も増える。一石二鳥の制度となっているのだ。だいたい毎月50万円ほど稼げるようになれば、大企業並みに安定した老後を過ごせるようになるのではないだろうか。

ぜひフリーランスになる方は参考にしてほしい。もちろん、まずは稼げることが大前提ということも忘れてはならない。