カルロス・ゴーンが逃亡したことでも有名になった、レバノンでのお話。パレスチナ人の工事監督、ヤーセルがアパートに住むレバノン人のトニーの行動に対し、暴言を吐くことから始まる。最初は謝る・謝らないの話だったのが、いつしかパレスチナ問題にまで発展していく…
パレスチナという難しい地域の問題を取り上げた本作品。どのような判決になるかは見てもらえばと思うが、当事者たちの思いとは裏腹にどんどん周りがエスカレートしてしまうところが、政治問題は難しいところだ。
中東問題の落とし所はどこになるのか?
当初、トニーの行動は過激なものだった。パレスチナ人を許さない、自分たちの国にいるのを気に入らないと思っていたと推測できる。レバノン人であるということ、パレスチナに対して強行的な態度を取ることが自分にとっての誇り、アイデンティティのようになっていた。
実際、中東問題の落とし所というのはどこになるのだろうか?それはまだわからないが、この二人のの闘いにおける落とし所はつけることができる。それは個人対個人の話であり、パレスチナ問題は関係ないからだ。
だからこそ大事なのは個人であり、国や地域、人種というのにこだわりすぎてはいけない、というのが一つの答えなのだろう。もちろん、それだけですべて解決はできないが、それでも国籍や人種などではなく、人間個人として付き合うのが大事というのは不変の事実ではなかろうか。