ナイスミドルになりたい~松本孝行のブログ~

教育とか雇用とかの社会問題、後は趣味のマンガを中心にしたテーマで書いてます。アゴラや自社サイトにかけないだろうなーっていう話題がメインです。

男性の育休が取れないのは正社員「総合職」という身分制度が原因

前々から言われていることではあるが、日本の男性は育休を取れない。どんくらい取れないかと言うと、3%程度しか取得していない。30人の男子校クラスで1人しか取得できないのだ。

男性の育児休暇取得率のグラフ

(参照:http://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/h29/zentai/html/zuhyo/zuhyo01-03-10.html

そりゃこんな状況だと、イクメンだとか育休を取る男性が注目されて当たり前だ。なぜなら希少価値が高いのだから。

しかしなぜこんなに少ないのか?といえば正社員、特に総合職という日本独特の身分制度が大きく関係している

仕事を切り分けられないから総合職

正社員と言ってしまうと分かりづらいかもしれないが、ホワイトカラー正社員のほとんどは「総合職」と呼ばれている。総合職の反対語が一般職だが、下記のような説明がWikipediaに掲載されている。

総合職は、管理職及び将来管理職となることを期待された幹部候補の正社員である。役務は非定型的であり、企業が享受する具体的な利益(主に金銭面)を考慮した上であらゆる役務に臨機応変に対応する実務能力が要求される。

総合職に対して、一般職・現業職と呼ばれる職掌がある。ここでいう一般職は、一般事務などの定型的・補助的な業務を担う正社員である。現業職は、技能職・技術職・専門職などさまざまな呼び方があり、具体的には工場におけるライン作業、設備保全、プログラマー(コーダー)、設計者、経理、財務、調剤など専門業務に従事する正社員である。場合によっては難度の高い有資格者もいる。

つまり正社員の総合職というのは職務が切り分けされていない。会社から命じられたら、あらゆる業務をしなければいけない。一方の一般職は定型的な業務であり、さらに補助的な業務を担う。OLを始めとしたホワイトカラー一般職が派遣社員に切り替わることができたのは定型的な業務だからだ。非定型業務の総合職正社員は派遣社員では変わりづらい。

例えばOLのやることはファイリングや電話・来客応対、請求書等の作成業務と決まった範囲を出ることはない。運送会社の社員なら決まったルート配送。小売の店員なら販売・接客。エステサロンの店員なら接客と施術だ。このように、やることが決まっている。だからこそ替えがきく(=育休を取る社員の補充をしやすい)のだ。

正社員総合職の場合はそうはいかない。やることが決まっていないのだから、その正社員の代わりをできる人を探そうとしてもそうはいない。社内の根回しができたり、独自のネットワークを持っていたり、仕事の進め方もその人に任せられたりする。たとえ営業でも、「この人だから取引をしている」と取引先から言われる場合も多い。他の人がポンと来て、変わることなんてできやしないのだ。

他の人が変わる事ができない仕事をしているのであれば、その人が休めば一気に仕事が止まってしまいかねない。

育休取得の最初の一歩は職務領域の明確化

そんな状況で「男性も育休とってね」なんて言われても、取れるわけがないのだ。つまり育休を取得するために必要な第一歩は職務領域を明確にすることなのだ。職務領域を明確にすれば、その職務を行える人を一時的に非正規雇用・派遣社員などで雇うことができる。つまり1年や半年の契約で代わりをしてもらえるようになるだろう。

もちろん、仕事を取られて復帰できないなどの問題も出てくるが、それは日本がしっかりと契約社会に向かっていけば防ぐことも可能だ。それよりもまずは職務をしっかりと切り分けて、定義することだ。営業マンを未だに総合職で採用する必要なんて無いのに今も総合職で採用している日本の企業が育休を取れるようになることはない。