クリント・イーストウッドの最新作がNetflixで無料ということで見てみた。前々からチェックしていた作品でもあったが、やはりクリント・イーストウッドの映画は面白い。「人生」とか「生きるとは」ということを映画で上手に描いてくれていて、心に突き刺さる。
今回の運び屋は90歳の運び屋として、アメリカでニュースになった実際の人物をモチーフにして作られた映画だ。デイリリーという花を育てる造園げ用をしていた主人公のアールはデジタル化に対応できずに農園を閉めることになった。そこでひょんなところから出会った若い男に仕事を依頼され、無事にやり遂げる。その仕事とは麻薬の運び屋だった…
人生を後悔せずに生きるためには?
映画「運び屋」のモチーフになったのは、レオ・シャープという実在の人物だ。ウィキペディアがあったので、もし興味があれば見てほしい。
実際のレオ・シャープのことを描いたわけではないので、おそらくストーリー自体はクリント・イーストウッドの考えたものが色濃く反映されているのだろう。娘の結婚式にも顔を出さない、仕事人間だったアールは最初は出来心で運び屋を始めた。しかし周りから色々と期待され、その運び屋をやめられなくなった。
最初は自分の農場を買い戻し、そしてオンボロの車を乗り換えた。その後は孫娘の専門学校の費用を工面したり、退役軍人の施設を維持するためのお金を出したり、孫娘の結婚式のパーティーにお金を出すなど、自分以外の家族や友人、仲間たちのためにお金を出した。そのためのお金を運び屋で稼いだのだ。
彼は決して自分のために運び屋をしていたわけではなかった。家族や仲間のために自分の中で良いと思ってやっていたのだ。しかし、最後の家族のシーンでもわかるようにお金でその間を埋めようとしても埋まらない。実際は一緒にいる「時間」こそが大事なのだ。家族や仲間と過ごす時間、これが一番大事だとアールは言う。
こういった考え方はアメリカ的・ヨーロッパ的な価値観かもしれないが、最近では日本でも段々と支持されているように思う。私も仕事よりも家族、そして友達と過ごす時間を大事にしたいものだ。
淡々としているが非常にいい映画だった。