ナイスミドルになりたい~松本孝行のブログ~

教育とか雇用とかの社会問題、後は趣味のマンガを中心にしたテーマで書いてます。アゴラや自社サイトにかけないだろうなーっていう話題がメインです。

賃金が上がらないのは非正規社員が増えているからだが、なぜ非正規社員が増えるのか?

野口悠紀雄先生のダイヤモンドの記事だが、日本は賃金が上がらない国になったと分析の結果を示している。実際、賃金が上がらない理由は大企業・中堅企業が非正規社員ばかり増やしたからだという。

diamond.jp

2012年以降、落ち込んでいた日本の付加価値が上昇に転じているという。確かに一人あたり付加価値は上昇している。しかしそれでも非正規社員で対応しているので、賃金は上がらないのだという。

非正規社員は付加価値が高いのに賃金が低い?

ここで一つ疑問があるとすると、非正規社員ばかり増やしているにもかかわらず、一人あたりの付加価値が上昇している。正社員が減って非正規社員が増えているのに、一人あたりの付加価値は上がっているのだ。ということは、非正規社員は正社員よりも付加価値が高い、ということが考えられる

となるとまたここで不思議なことが起きてくる。なぜ付加価値が高い非正規社員の賃金が低いのだろうか?一般的に信じられているのは出来る人には高い賃金が、できない人には低い賃金が払われるというものだ。確かにアルバイトでも出来る人は時給が100円高かったりするし、歩合制の営業マンは営業成績がよければもらえる給料は高い。

しかし現在は一人一人の付加価値が高くなっているのに、賃金が上がらない状況になっている。加えて、賃金が上がらないだけでなく業績が好調な企業の早期退職募集が相次いでいるのだ。

maonline.jp

これもおかしな話で、リストラや希望退職を募るのは企業の業績が悪くなっている場合だ。しかし今回希望退職を募集する企業はほぼ黒字の企業ばかりだ。

正社員という身分を是正する必要がある

一人あたりの付加価値が上がっても賃金が低い。黒字で希望退職を募集する。なぜこんなことが起こるのか?はっきり言えば、これは正社員という身分制度が原因だ。正社員というおかしな身分制度があるせいで、一般的に考えられている原理原則が通用しないのだ。

だからこそ業績が良い今のうちに正社員を減らしておき、非正規社員に置き換えようとしている企業が多く出てきているわけだ。非正規社員の方がしっかりと付加価値に対して報いる事ができる。企業の業績が上がれば給与を増やし、業績が下がれば給与を減らすということが出来る。何よりも解雇も容易にできるのだ。

非正規社員が増えて付加価値が上がっているなら、非正規社員の賃金はどんどん上げてやるべきだ。そのための原資として、正社員を減らして余った分を回そうということなのだろう。ある意味、正社員という歪んだ仕組みを是正しようとして、ちょっと変な運用が行われていると考えられる。

身分が守られすぎると、社会に対して悪影響を与えかねない。国鉄時代はひどかったというはなしがまとまっているので参考にしてほしい。水も流れないと濁るのと同じで、流動性がなければ、人間の集団はおかしくなっていくのだ。

togetter.com

今正社員である人たちが何かをする必要はない。今、正社員である人たちになにか問題があるわけではなく、制度そのものの欠陥なのだ。少しずつだが、この欠陥が民間企業の努力により変わっていく、その過程に我々はいるのだろう。

追記

10月の景気動向指数が発表されたが、前月比5.6ポイント低下の94.8となった。これで不景気に突入することになったので、たとえ正社員を上手に整理できたとしても賃金が上がっていくのは随分先になるのだろう。

www.nikkei.com