霜降り明星といえば粗品とせいやの漫才コンビだ。粗品が19歳でオールザッツを優勝し、ピン芸人として活躍するかと思いきや、大学生のせいやを連れてきて作ったコンビがこの霜降り明星だ。
M-1グランプリ、そしてR-1優勝とネタの面白さも評価されている。今ではラジオではオールナイトニッポンゼロや霜降り明星のだましうち。テレビでは冠番組として霜降りバラエティ、霜降り明星のあてみなげを。そしてユーチューブチャンネルも持っており、幅広く活躍をしているコンビだ。
そんな霜降り明星は粗品のツッコミが特徴の一つだが、その中に「野党か!」「野党!」というツッコミがある。なぜこの「野党!」というツッコミが象徴的であり秀逸なのだろうか。
野党!というツッコミでなぜ笑うのか
このツッコミはカラオケを歌うときの合いの手を入れるせいやが「もっとわかりやすくしろー!」「何いってんだー!」など、カラオケとは関係ない合いの手を入れる。それに対して「合いの手が野党!」というツッコミを入れるのだ。
ここでポイントになるのが、ツッコミを入れた時に笑いが起きることだ。なぜ笑いが起きるのだろうか?それは野党というツッコミのワードがせいやのボケに対してピタッと合致しているからこそ起きる。そしてボケとツッコミが合致していると、観客が思うから観客も笑うのだ。
つまり「何いってんだー!」「もっとわかりゃすくしろー!」というのは野党が言っているという共通意識があるのだ。だから笑うわけだ。このボケに対して全く関係ないツッコミをしても笑うことはない。例えば「妊婦か!」みたいなツッコミは的を外している。「野党!」でなければならないのだ。
なぜ野党であって「国会か!」はないのか
共通意識があるから笑うというのであれば、なぜこのおかしな合いの手に対するツッコミとして「国会か!」や「議員か!」が選ばれなかったのだろうか。野党という言いやすいワードや少し硬めの笑いから離れたギャップのあるワードだからというのもあるだろう。しかし自民党であってもヤジを飛ばしている。議員全員がヤジを飛ばすのだから、「国会か!」の方がより正しいはずだ。
ここに若者が持つ野党と与党の印象の違いがある。下記のニュースは若者の自民党支持率が高いということだが、20代・30代は自民党支持率が高い。つまり自民党に対してあまり悪いイメージを持っていない。
ここが「野党!」というツッコミで笑う理由の一つなのだろう。つまり若い人たちは与党である自民党よりも野党のほうが実際に変なヤジを飛ばしている、というイメージを持っているのだ。実際のヤジの数や時間がどうとかではなく、野党へのイメージが悪いのだ。おそらく、このツッコミは同じような語感の「与党!」では笑う人は少ないだろう。
それだけ若い人にしてみれば野党のイメージは悪いのだ。霜降り明星のツッコミで笑う人が多いことは、そういうことなのではなかろうか。
森ゆうこ問題は若者ほど悪い印象を持つ
ここ最近起こった野党の問題で、森ゆうこ質問通告遅かった問題がある。この騒動、ネット上では非常に評判が悪い。ネット上で評判が悪いということは、若者にとって評判が悪いということにもなる。そして今回は若手官僚からの訴えということもあり、同じくヒラで働く若者にとっては、自分たちの姿を投影してしまう。
ただでさえ若者にとって野党は印象が良くない。今回の問題でさらにネットを中心に燃え上がってしまえば、野党は更に若者から支持されなくなる可能性がある。健全な野党と与党による健全な議論ができることを若者だけでなく、国民全体が求めている。