少し前まで法人経営をしていたのだが、今は手放して完全にフリーランスとしてウェブマーケティングやサイト制作などをしている。で、その際にマネジメントのことをよく悩んでいた。
最終的に法人を離れた今、こうすべきだったんだなーというのは「エビデンスに基づいて判断して、感情に訴えてマネジメントする」ことだ。これが正解だったんではないか?と思う。
エビデンスを示しても理解できるとは限らない
文系人間だが結構エビデンスを重視している。どういう理由が会って、どういう根拠があってそういう判断を下したか?は重要。同じ決断をするにしてもエビデンスを持って判断するようにしている。
ただ、これは俺がそういうタイプの人間であって、別にそうじゃない人はたくさんいる。むしろエビデンスを示されたところで、そんなの知らんという人のほうが労働者には多いように思う。
例えば「会社の成長にはこの施策が非常に有効だ、なぜならこういう統計があり、先行事例もある。弊社も同じようにこうするのでやってくれ」と言う意思決定を伝えたとしよう。従業員としては「エビデンスを見ても確かに言うとおりだ、社長の言うようにやりますね」となるか?というとそうではない。
「メンドクセー」
や
「いや、既存の顧客に説明するのが難しい」
や
「やること増える、行動変えないといけないのが嫌だな…」
と思うものだ。
つまりエビデンスで伝えたところで、それは従業員が動く根拠にはならない。たとえ会社が成長する、より顧客のためになるとしてもそれはその従業員にとって重要な判断基準にならない。もっと言えば従業員の自分ごと化につながらないのだ。
従業員が自分ごと化するには感情に訴える必要がある
じゃあ従業員にどうやって動いてもらうのか?というと、エビデンスに基づいて行動してもらうのではない。エビデンスに基づいて判断するのは経営者や意思決定者がやればいい。その結果の行動や課題解決の方法などを指示して動いてもらうのだ。
指示して動いてもらう時にはエビデンスが云々とか理論的な話はいらない。そんなことよりも、しっかり今までの仕事への感謝を示し、従業員の働きを評価していると言い、そしてあなただからお願いしたいと下からお願いするのだ。すべて相手の感情に訴えて行動する。それを何度も繰り返し行う。
ちょっとした仕事の変更などに給料の上下を伴うことはできないのだから、こうやってなんとか毎日のルーチンを少しずつ変化させていくようにするしかないだろう。まぁ私はその根気がなかった(笑)それならフリーランスに契約ベースで頼んだほうが、しっかりやってくれると思ってしまった。
合っているかどうかを検証することはもうできないが、それでもエビデンスベースでは従業員は動かないということを学んだことは大きかったなと思う。