ナイスミドルになりたい~松本孝行のブログ~

教育とか雇用とかの社会問題、後は趣味のマンガを中心にしたテーマで書いてます。アゴラや自社サイトにかけないだろうなーっていう話題がメインです。

官僚になりたい学生が激減している?国家公務員採用試験の総合職試験申込者数の推移をグラフ化してみた

河野太郎外務大臣が講演会で話をされた中で「官僚になりたい学生が激減している」と嘆いていたようだ。国家公務員採用試験に合格した学生がそれぞれ官庁に訪問してくるそうだが、その人数がデータでも実感でも減っているという。

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優秀な人材が採用できないとなると、国を動かすことが難しくなるだろうし、国家が維持できなくなる可能性もある。そのため、河野外務大臣は危機感を持っているのだろう。

国家公務員採用試験の総合職試験申込者数の推移

では実際にどのくらい官僚になりたい学生は減っているのだろうか?いくつかの記事や人事院の年次報告書を参考にして、グラフ化してみる。

国家公務員採用試験総合職試験の推移グラフ

 詳しい数字は下記の通りだ。

年度 年度(西暦) 申込数
平成元 1989 27243
平成2 1990 31422
平成3 1991 30102
平成4 1992 30789
平成5 1993 35887
平成6 1994 41433
平成7 1995 43431
平成8 1996 45254
平成9 1997 39863
平成10 1998 35754
平成11 1999 40535
平成12 2000 38841
平成13 2001 37346
平成14 2002 37163
平成15 2003 31911
平成16 2004 33385
平成17 2005 31112
平成18 2006 26268
平成19 2007 22435
平成20 2008 21200
平成21 2009 22186
平成22 2010 26888
平成23 2011 27567
平成24 2012 25110
平成25 2013 24360
平成26 2014 23047
平成27 2015 24297
平成28 2016 24507
平成29 2017 23425
平成30 2018 22559

平成23年までは第一種試験と呼ばれていたようで、平成24年から総合職試験という名前に変わったそうだ。実際、推移を見てみると、たしかに右肩下がりではある。特に平成8年の45,254人と比べると、平成30年の22,559人はピーク時の半分以下になっている。申込数もどんどん減っており、河野大臣が言うように外資コンサルタント会社などに就職するほうが割がいい、と思っている学生も少なくなさそうだ。

とはいえ、これだけの人が今でも申込みをしており、合格者は1割にも満たない。2019年度の合格者数は院卒・大卒合わせて1,798人と相変わらず狭き門だ(参照)。なので、実際に人材としては十分な申込みがあるのがデータ上で表されている。

キャリア官僚は魅力的な仕事か?

データ上は十分な人数が官僚になろうと目指してくれている。しかし、河野大臣は省庁に訪問する学生が減っているという。これはつまり、公務員試験に合格した学生が別に企業に流れてしまっているのではなかろうか

例えば外資コンサルティング会社や金融会社も並行して試験を受け、内定をもらった人材がキャリア官僚よりも他の仕事を選んでいる、という可能性もある。もしかすると、河野大臣が実感しているのはその部分なのではないか。実際、学生の頃に他にも条件が良い企業から内定を貰えば、そちらを優先してもおかしくはない。

残念ながら官僚になった人数の推移というのはわからなかったが、試験に合格した人に内定を出しても、必ずしも選んでもらえない職業にキャリア官僚はなってしまったのかもしれない。確かに国会対策で徹夜して、それでも周りの外資系企業よりも給料は圧倒的に低いとなれば、なりたいと思う人が少なくてもおかしくはないだろう。

河野大臣の言うように、中央官庁の働き方改革は進むのだろうか。