ナイスミドルになりたい~松本孝行のブログ~

教育とか雇用とかの社会問題、後は趣味のマンガを中心にしたテーマで書いてます。アゴラや自社サイトにかけないだろうなーっていう話題がメインです。

転売屋はメーカー・小売業者にとって一般消費者以上にありがたいお客さんだ

転売の話というのはよくネット上で盛り上がるのだが、どこのメーカーも小売業者もなかなか対策できずにいる。今回の話は中国人が多く転売目的で購入しようとしたので「外国人には売れない」と人種差別問題にまで発展しそうだ。

togetter.com

転売屋に外国人が多いのはそのとおりだが、今回は人種や国籍の問題は置いておこう。それより、ネット上では転売目的での購入に対しての怒りのほうが大きい。とはいえ、メーカーにとっても小売業者にとっても、転売屋は非常にありがたい存在であることもまた、事実である。

受注生産にしても解決しない

転売を目的とする人たちが限定のフィギュアを買ってしまうので、手に入らないという方々の気持ちはわかる。ただ、そのために「受注生産にしたらいいじゃん」という声があるが、それは解決にはならない。

では受注生産にしたらどうなるか、思考実験してみよう。今回エヴァンゲリオン2号機のフィギュアが受注生産、ネットでの注文となったとする。転売を目的とする人たちは、我先にと転売のためにネットに注文をする。本当にほしい人も注文するだろうが、転売屋の中に紛れてしまう。

フィギュアの生産はチラシを刷るように簡単に出来るものではない。何日も、場合によっては何ヶ月もかかるものだろう。であれば、出来上がり次第出荷していくとなると、転売屋の方に何日も何ヶ月も早く手にされてしまい、結局メルカリやヤフオクで転売されることになる。

受注生産だからそのうち届くだろうと思っていても、転売屋が1000も2000もいて、発注していたらその生産に追いつかなくなる。結果的に、欲しい人がずっと待たされることになるわけだ。これでは限定品のために早くからヨドバシに並ぶのと何も変わらない。

転売屋はありがたい存在

また、もし受注生産にして注文が全然ない場合はどうだろうか?転売屋も購入しないしファンもさほど買わないとする。限定100個・200個としていたときにはファンも転売屋も殺到し、売上が上がっていたのに受注生産にした途端売れないということもありうるのだ。

受注生産の怖いところは売上予測が立てにくく、組み立て・塗装などで雇用している人たちの給与や雇用が不安定になってしまいがちだ。

逆に転売屋がいてくれると、メーカーも小売業者もありがたいのが現実だ。実際に限定で販売したとしても、それが完売される保証はない。たいてい8割から9割売れて利益が出るようにメーカーも作っているはずだ。200個限定で100個しか売れなかった、では赤字なのだ。

その点、転売屋が買ってくれて完売されるならメーカーも小売業者も確実に利益を上げることができ、プロジェクトのコストを回収できる。ありがたい存在だということだ。

転売されている商品、完売してる?

ちなみにこれを書いている現在、このエヴァンゲリオンのフィギュア?はヤフオクで155件も出ていた。これだけの数が一気に出てくるのだから、それだけ多くの人が転売を目的に購入に並んでいたということだろう。

転売されている商品、完売してる?

メーカーとしてはファン全員に売るよりも、ファン+転売屋に売ったほうが多く売れる。小売業者もしかり。経済論理で行けばそうなる。もし本当にファンにだけ売るというのであれば、もっと他の売り方をしないとだめだろう。有料イベントやファンクラブ限定だけに売るとか、やり方はあるだろう。

もっともそれをメーカーも小売業者も選ばないということは、ファンにだけ売ることで売上が減少してしまうと判断しているのではなかろうか。ファンは「俺達にだけ売ってくれ!そうすれば今まで以上に売上が上がるから!」と証明しないと、メーカーも小売業者も動かないだろう

モラル向上やルールを守るということだけは人は動かない。特に経済では金で人も動くのだから、より儲かるということを証明すべきではなかろうか。