最低賃金を上げると失業率が上がる、と聞いたことがないだろうか?日本の場合、最低賃金は徐々に増えている。今、全国の加重平均額は874円となっている。10年前、2008年の段階では703円だった。かなり今は賃金が上がっているのだ。ただ、日本の場合は10年かけて100円以上アップさせてきたので、失業率はさほど上がってはいない。
お隣韓国では一気に最低賃金を上げたことで失業率が上がっている。最低賃金を急激に上げると失業率が上がるのは間違いないことが証明されている。
賃金を上げるとどうなる?
さて、最低賃金引き上げに対し、米村歩さんはこのようにツイートしている。
急激に引き上げると弊害もあるようですが、年3%とか5%が急激な引き上げだとは全く思わない。この程度の上げ幅で限界だという会社には退場してもらって社会の新陳代謝を促した方が世の中全体の生産性は確実に上がる。
— 米村歩@日本一残業の少ないIT企業社長 (@yonemura2006) May 22, 2019
経団連会長 最低賃金の上げ幅は慎重な議論を https://t.co/CJyci9wPhQ
内容としてはすごく的を射たものだと思うし、理論的には正しい。ビジネスの生産性が低い、つまり利益を上げられない企業は退場していくという新陳代謝は促したほうがいいだろう。
ただ、最低賃金を上げるというのは少しまた議論がある。最低賃金が上がるということは、それだけの成果を出さないといけないことになる。例えば時給700円の場合と時給1000円のときには、300円以上の成果を出さなければいけない。
そのために出来ることは下記の3つだ。
- ITや機械化で生産性を上げること
- 従業員たちのスキルを上げること
- 従業員の負荷を上げること
ITや機械化を進めれば一人あたりの生産性が上る可能性は高い。ただし、その分必要のない人たちがでてきて余剰人員を抱える可能性がある。ここで解雇できればいいのだが、日本の場合は難しいため、生産性の高い人と低い人が混在することになる。
従業員たちのスキルを上げるとなると、今までやっていなかったことをやらなければいけない。スキルをつけることで生産性の高い仕事を得られる可能性がでてくるが、ついていけない従業員は出てくる。
最後に従業員の負荷を上げるというのは従業員がやることを単純に増やすのだ。コンビニがいい例で、昔のコンビニと比べるとやることが格段に増えている。生産性の低いことでもスタッフが担う数を増やせば時間あたりの生産性は上がる。そのかわり、従業員の疲労やストレスもあるだろう。
つまり賃金を上げれば従業員は何らかの負荷があるのだ。解雇の可能性が高まるか、新たなスキルを身につける必要があるのか、疲労やストレスが増えるか、だ。
だから最低賃金があがると、この労働者への負荷についていけない人が失業して失業率が上がるわけだ。
高付加価値産業の創出を
個人的には最低賃金をアップさせるよりも、GAFAのような企業をいかに生むか?GAFAでなくても、時価総額ランキングにランクイン出来るような企業を生み、そこで多くの賃金を払えるようにするほうが大事だと思っている。
リードするのも底上げも両方重要だが、日本の場合はどちらかというとリードする会社を作るという方にもっと力を入れるべきと個人的に思っている。
最低賃金引き上げも悪いわけではないので、韓国のように急激に上げるのではなく1~2%ずつ上げていくのが良いのではないだろうか。日本の経済成長率と同じくらいの幅が良いと思う。