話題になっている本書、今になって読んだけれども確かに話題になってもおかしくないなというような印象を受けた。文字数も少ないし、わかりやすく書かれているからだ。
コピーライターである著者は伝え方を変えるだけで断られることが減り、受け入れられることが増えるというものである。もちろん、これは統計的に考えられているものではなく著者の経験によるものだ。なので確実ではないし、複雑系の世の中で言葉だけが影響しているとも言えない。
しかしそれでも、言葉を工夫するだけで受け入れられる可能性が高まるなら、低コストだ。
言葉は誰のために発するか?
本書で最も大事なことは、おそらく「言葉は誰のためのものか?」ということではなかろうかと思う。つまり、言葉は自分のものではなく相手のものである、という前提が必要ということだ。相手の気持や立場に合わせて、言葉を選ばなければならない。むしろ相手にどうインパクトを残すか?などを考えなければならない。
多くの場合、言葉を発するときには自分のために発することが多い。しかし、相手のことを考えて発した言葉の場合はかなりの確率で受け入れられるようになる、というのが本書の主張だ。確かに、気持ち的にもそういう事がありうるだろうと考えられる。
例えばよくあるパターンだが、最初に感謝を伝えることで受け入れてもらいやすくするというものだ。営業でも「失礼しました」や「すいませんでした」ということを言わず、「ありがとうございます」に変換することで良い方向に向くことが多い、とされている。
おそらくそれはどの場面でも同じなのだろう。
本書はさほど難しくないし、1時間程度で読み終えるくらいのボリュームなので、本を読むのが苦手な人にもおすすめできる。また、シリーズでは漫画で読むパターンのものもあるので、活字が苦手な方は漫画で読んでみてもいいだろう。