ナイスミドルになりたい~松本孝行のブログ~

教育とか雇用とかの社会問題、後は趣味のマンガを中心にしたテーマで書いてます。アゴラや自社サイトにかけないだろうなーっていう話題がメインです。

現場の先生には生徒へ懲戒処分を行う手段がないから体罰につながる

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ワイドショーなどで度々動画が流されたので、多くの人が知っているかと思うけれども、高校教師が生徒を殴った動画が拡散された。そこで武井壮さんが体罰はダメという話をしているが、全くそのとおりだと思う。体罰はダメ、そのとおりだ。しかしこれは「戦争はダメ」「人殺しはダメ」と言っているのと同じに過ぎない。

つまり原則論を話しているだけだ。原則論としては武井壮さんの言うとおりだ市、反論の余地もない。とはいえ「戦争はダメ」と言っても戦争が行われているし、「人殺しはダメ」と知っていても殺人は行われている。そこに至るまでの理由が必ずあり、その理由を深掘りしなければ原則論に沿った運用はできない。

挑発されたら先生はどのように対抗できたか?

今回、暴力に及んだ理由は明白で生徒側が手を出させようと画策し、挑発をし続けた。そこで我慢ならなかった先生が殴ったわけだ。つまりこの生徒側の挑発が起因となっている。もし教育として指導するのであれば、この挑発の段階で指導しなければならない。

ではこの高校教師は生徒に対してなにか出来ただろうか?学校教育法にはこのように書かれている。

学校教育法第11条(児童・生徒・学生の懲戒)

校⻑及び教員は、教育上必要があると認めるときは、文部科学大臣の定めるところにより、児童、生徒及び学生に懲戒を加えることができる。ただし、体罰を加えることはできない。

学校教育法施行規則第26条第2項

懲戒のうち、退学、停学及び訓告の処分は、校⻑が行う。

ここでポイントとなるのは停学・退学・訓告といったことは校長しかできないのだ。では教員が行うことができる町会とはどういうものか?文部科学省が事例を出しているので、引用してみる

(2)認められる懲戒(通常、懲戒権の範囲内と判断されると考えられる行為)(ただし肉体的苦痛を伴わないものに限る。)
 ※ 学校教育法施行規則に定める退学・停学・訓告以外で認められると考えられるものの例 

  • 放課後等に教室に残留させる。
  • 授業中、教室内に起立させる。
  • 学習課題や清掃活動を課す。
  • 学校当番を多く割り当てる。
  • 立ち歩きの多い児童生徒を叱って席につかせる。
  • 練習に遅刻した生徒を試合に出さずに見学させる。

 さて、あの挑発し続けた生徒への懲戒として、教員は何が出来たのだろうか?彼に清掃活動を課せばよかったのか?授業中に見学させるのがよかったのか?おそらく、そういうレベルではないだろう。訓告・停学が必要なレベルだったのではないかと思う

であればこの教員にできることは何もなく、校長に報告して訓告・停学を行ってもらうしか無い。

校長が動かなかったらどうしたらいい?

というわけで、この状況で教員が体罰・暴力ではない方法を使うとしたら、校長への報告だろう。そして校長に停学や訓告をしてもらうというのが筋だと思う。

ただ、筋としてはそのとおりなのだが、校長が動かなかったら?という場合がある。校長が問題を起こしたくないという保守的な人だと、この問題を学校内だけで治めるために何もしないということを選ぶことだって考えられる。つまり校長によってはこの生徒による挑発行為を問題にしたり、問題にしなかったりしてしまうのだ

ここにシステム的な問題がある。もっとオートマチックに訓告・停学を行うような方法がいいだろう。こういう行為があったと職員会議にかけて停学が望ましいという結論が出れば、そのままオートマチックに停学が認められるようになるべきだ。そうすれば教員は抵抗手段ができる。ただし教員の暴走も考えられるので、職員会議で認められたものを校長が拒否権を持つなどするのも必要だろう。

できることがないから、暴力につながる

どのような場合にせよ、このような異常な行為が行われた時に教員にできることがなさすぎる。だからこの教員は暴力という手段を選んだわけだ。暴力を選ぶのは簡単だ、すぐさまに罰を与えることができるわけだから。そういった暴力につながらないようにするためにも、教員へもう少し懲戒の権限を与えないといけないだろう。

今の状況では教員だけが疲弊しかねない。例えばこういった状況があったら、すぐに警察が飛んでくるようなシステムでもいいと思う。教員にすべて任せるには荷が重い。私も教育者の知り合いを何人か知っているが、彼らも一人の人間であり、聖人ではない、普通の人間だ。

普通の人間が教師を行っているのだから、一般の人間が無理のない状況で教育できる現場・仕組みを作らなければならない。文部科学省や教育委員会はこの状況を強く受け止め、しっかりと改善を行ってほしい。