最近、マーケター的思考と営業的思考の違いによく触れるなーと思う。営業的な人はとにかく動いて接触することを好むけど、マーケター的な人は可能性が高い方法を先に考えて実行する。 / “もし、あなたが経営者なら「マーケティング がしたい…” https://t.co/0mIr04j7vp
— 松本孝行~ナイスミドルになりたい (@outroad) 2018年12月27日
マーケティングに関するお話で、なかなか面白いなと思ったので良ければぜひ。最近、いろいろとマーケティングのお仕事もお声がけしてもらっているのだが、マーケティング的な考え方とそうじゃない人の考え方の違いというのをよく感じるなと思う。
マーケティングの役割とはなにか?
そもそもマーケティングって一体何か?というと、より売上・利益を効率的に上げられる方法を考えること、といえばいいだろう。もうほぼ経営とニアリーイコールなところがある。企業がより良くなるためにはどうしたらいいだろう?それを考えるのがマーケティングと言える。
良い事例として下記の過去記事に取り上げている、フミコフミオさんの営業戦略が考えやすいと思う。
フミコフミオさんはこう書かれている。
優秀な戦力を失う件と顧客を持っていかれる件については、いわゆるスーパー営業マンを否定する戦い方、個ではなくチームで戦う営業部隊をつくってきた自負があるので、申し訳ないが黒い三連星が考えているよりも、損害は出ないと考えている。
フミコフミオさんは
優秀なスーパー営業マンに売上を上げてもらう、商品を打ってもらう
という方法ではなく
チームとして営業を行い、売上を上げる
という方法を選んだ。これは戦略の選択ではあるが、マーケティングの一部でもある。つまりスーパー営業マンよりもチームで営業マンが戦うほうがより売上が上がると思ったから、その方法を選択したわけだ。結果的にフミコフミオの選択は成功だったようだ。
これは営業部としてどうするか?という組織論的な話も含むので、マーケティングと違うように見えるかもしれない。しかし、これもマーケティングの一種である。どのようにすればより売上と利益が上がるか、それを考えるのがマーケティングなのだ。
どのようなアタックリストを作るか?
とは言え多くの企業ではマーケティングはまた別の方法で行われているかと思う。どちらかと言うと「どういうアタックリストを作るか?」というのが多いのではないだろうか。つまり、顧客になるのではないか?と思わしき企業・担当者をリストアップすることだ。
一番わかり易いところで言えば展示会だろう。展示会で名刺をたくさん集めて、その人たちにテレアポやメール、DMなどを送って反応を見る。そして反応が良かった企業・担当者をリストアップして営業側に渡す。
他にもリスティング広告とランディングページで無料モニターやキャンペーンを打って、そこで登録したユーザーに対してステップメールを送り、リストにして渡すという方なこともあるだろう。
テレアポ用のリストなどは購入しようと思えば買える。にもかかわらず、なぜこのような選別をする必要があるのか?理由は最小のリソースに対して最大の成果を出せるようになる(=利益が大きくなる)からだ。100人の営業マンで10億円の売上を上げるよりも、10人の営業マンで10億円の売上を上げるほうが、効率が良いのは誰でもわかるだろう。だからこそ、利益を増やすためにもマーケティングは必要なのだ。
営業的思考との違い
マーケティング的な思考を持っているとより効率的に、より売上・利益を上げるための投入を減らして効率をあげようとする。しかし営業メインで考えるとそのような考え方にはならない。
例えば100社営業に回るとなった場合、営業だけの企業とマーケティング担当者がいる企業ではどうなるか?というと、マーケティング担当者がいる企業は「購入可能性が高い企業はどこだろう?」と考えてリストを作る。例えば今購入してくれている企業の共通点を分析し、似た企業をピックアップするなどだ。
営業担当の場合は100社とりあえず回る。何でもいい、近いところから回るというような考え方になる。それ自体は悪いことではないのだが、その後にもう100社回るとなったら、新たにリストを作って営業に回る。今まで回った100社がどうだったか?ということを振り返らない事が多い。
マーケティング担当と営業担当がしっかりある場合は営業担当の状況をマーケティング担当にフィードバックし、仮説を立てる。そしてその仮説をもとにした企業をまたピックアップして、営業担当に渡す。こうして少しでも可能性を高めようとするのがマーケティングなのだ。
私も基本的に営業というのはあまりせず、セミナー営業やブログ、ホームページからの問い合わせをメインにしているのは、それが効率的だからだ。ウェブサイトに強みを持っているということもあるし、すでに問い合わせがいくつかあるので、その問い合わせを分析して「どのようなニーズがあるか?」を前提に改善することができるのだ。
状況を見て行動を決めるべし
とはいえどの状況なのか?によっても考え方が違うのは、最初に紹介したブログにも書いているとおりだ。1から10にするためのマーケティングと0から1にするためのマーケティングは全く違う。
0から1にするためにはとりあえず可能性がありそうなものを上から順に行っていく必要はある。ローラーで営業をするほうがいいかもしれない。コストをかけてリスティング広告を打ったほうがいいかもしれない。展示会に出したほうがいいかもしれない。顧客になりそうな仮のペルソナを作ったあとは行動が必要だ。そして行動の結果をフィードバックするのだ。
そのあとは1から10にする作業だ。ここが得意な人は1を分析し、1に似た人たちに対して攻勢をかけていけばいいだろう。もちろんこれは教科書的なお話で、ビジネスはそう確実に行くわけでは限らないが。
マーケティングをしたい新人は何をしたらいいか?
ではマーケティングをしたいけれどもやったことがない、という人はどうしたらいいのだろうか?大事なことはマーケティングを考えながら行動することだ。
例えばティッシュ配りのアルバイトをするとした場合、下記のようなことを考えながらアルバイトをすることはマーケティングの基本になるだろう。
- どういう年齢層の人がもらってくれるか?
- 男女どちらがもらってくれるか?
- どのような渡し方だともらってもらえるか?
- どういう時間帯がもらってもらえるか?
- どういう服装の人がもらってくれるか?
つまり思考として「どうやったら効率的に売上・利益を増やせるか?」を考える癖をつけることが大事なのではなかろうか。これは別に10代でも20代でも50代60代でもできるはずだ。
ぜひマーケティングをしたい人は癖付ける事を考えてみてはいかがだろうか?