恋愛と音楽が見事に融合した映画だった。最後にかけてまぁストーリーとしてはこうなるんだなっていうのがある程度読めるのだが、それでも歌の凄さというかレディ・ガガの凄さに感情が揺さぶられてしまった。久しぶりにかなり泣くことが出来た映画だった。
あなたは愛を貫けますか?
小さいライブバーで歌っていたウエイトレスのアリー。ひょんなことから人気ロックスターのジャックと出会い、大舞台で歌うことになる。そしてどんどんとスターへの階段を駆け上がっていくアリー、ジャックとの愛も深まっていくかと思いきや…というような内容だ。
例えばの話だが、日本だと男が外で働き、女が家の中にいるという考え方がまだまだ根強い。我々30代であっても、女性の方が稼いでいるというパターンはほとんど聞かないし、子育ては女性がやって夫は育休を取らない。
では逆に女性の方が稼ぎが多くなって、自分のほうが稼ぎが少ない場合、愛を貫けるだろうか?変わらず彼女を好きでいられるだろうか?彼女の仕事のために、自分を捨てて専業主夫になることができるだろうか?
アリーがスターへと駆け上がっていく際、ジャックはそういう感覚を持っていたのではないだろうか。自分はもうロックスターになってから長く、あとはゆっくり下り坂でしかない。自分がアリーを見出して、一緒に歌っていきたいと思ったが、自分を置いてけぼりにして上に行ってしまった…
それでもジャックはアリーを愛し、アリーもまたジャックを愛していた。だからこそジャックは自分で立ち直ろう、アリーと一緒にいるために一生懸命努力をした。アリーもまた、ジャックと一緒に歌おうと考え、行動を起こした。しかし、もう動き出した時計は止まらなかった。
あなたの大事なことは何?
確かにスターになって売れることを夢見るのはいいことだし、それを目標に向けてがんばるのもいいと思う。だが、誰もがスターになれるわけではないし、何よりも最初に目指していたスターになるという目標が、必ずしもベストであるとは限らない。
出会った女性のために考えを変え、生き方を変え、目標を変えることもまったくおかしなことではない。これは映画内でも出てくる考え方で、船に乗っているときにちょっとだけと立ち寄った港に、数日、数ヶ月、数年居座ってしまった。しかしそれが今までで一番心地が良い、そんなときは身を委ねるのも大事だと。
若い頃から、子供の頃から思っていた夢を叶えることは難しいし、何より生きていればいろいろな人に出会い、影響を受けるものだ。影響を受けて自分の目標を変えることは何らおかしなことではない。アリーと出会い、自分の目標をアリーとの幸せな家庭に変更したジャックは間違いではなかった。
そんな生きることについても教えてくれた、いい映画だった。