【悲報】某企業の偉い人に新元号のシステム改修提案をおこなったところ「出力した帳票を毎回手動で従業員に直させるから別に要らない」と言われました。なお従業員数40名程度で、毎日かなりの数の帳票が出力されているシステムの模様。
— 米村歩@日本一残業の少ないIT企業社長 (@yonemura2006) September 14, 2018
私もウェブ業界にいるので、こういうのってもっとちゃんとIT化したらいいのにな~と思う。IT化することで生産性は上がるはずだからだ。
ただ、中小企業の社長の立場で考えると、IT化せずに手動で行うという判断はよく分かる。
なぜ中小企業は会社をIT化しようとしないのだろうか。
理由1:従業員を他の仕事に回せない問題
1つ目が従業員を他の仕事に回せない可能性だ。今まで決まっていた仕事ならできるけれども、それ以外の仕事に対応できないという場合もある。IT化したあとは時間と労力が余るわけで、それを別の仕事に回すことが求められる。そのための仕事を嫌がる可能性もある。
IT化した後により効率的な仕事、付加価値の高い仕事をしてもらおうと思っても、そういう仕事ができない可能性もある。まぁ一人あたりにできる仕事の数を増やす、ということで付加価値を上げるということもできるだろう。
従業員がIT化に対応するかどうかは別の問題だ。もちろん経営者もだ。
理由2:新しい仕事を取れない・作れない問題
もう一つが新しい仕事をとってくる、もしくは新しい仕事を作れない問題だ。これは経営者にも従業員にも原因があるのだが、IT化することによって効率的になった場合、手が空くわけなので他の仕事をする必要が出てくる。
ただ、その仕事を取ってこれるか?新しいビジネスを作れるか?というと中小企業の場合は難しいところも多いだろう。新しい仕事を作ってチャレンジするだけのリスクを取るか?そしてそのリスクある仕事をしたいと従業員が思うか、それは企業によるとしか言えない。
もちろん既存の仕事の量を増やすということも可能ではあるが、それができるのであればIT化して効率的にするだろう。それをしないのだから、こういった可能性がある。
理由3:社長の成長意欲が乏しい問題
最後が社長の問題で成長意欲を持っていない場合だ。社長がどんどん会社を大きくしていこうと思っているかといえば、そうではない。年収1000万円を超えたし、経費を抑えるために外車を購入することもできるし、別にこれ以上大きくする必要ないやと思っている場合もある。
そういうときには社長はIT化をして効率的にしようと思わないだろう。手作業で時間がかかっても今のままでいいじゃない、と思うわけだ。アニマルスピリッツがあればいいのだが、最近は「成長しなくていいじゃないか」みたいな言論もよく聞く。それが経営者にも波及している可能性もある。
経営者の年齢も関係しているだろう。高齢になっていけばいくほど、そういったアニマルスピリッツはなくなっていくだろうし、年齢が若いとそもそもIT化するほどの金が無いといったこともあるだろう。
IT化=成長できる企業の証
結論としてはIT化するということはその企業が成長できる証でもあり、IT化に躊躇するということは成長を拒否する企業であるということだ。もちろん企業それぞれに事情があるわけで、それを外部がとやかく言うことは難しい。
とはいえやはり日本でも成長しよう!という企業が増えればいいなとは思う。