絵はクソうまいけど他はてんでダメな人を活用できるようにするのが経営なのになんでこの国は作家自身のコンテンツ力がどうとか社交性がどうとかマネジメント力がどうとか企画力がどうとか超人ばかり求めてんだ。
— 激走パスタ (@begfor_yourlife) 2018年3月18日
そんなやつやっていけるわけ無いやん。障害持ってる人でも最低限のソーシャルスキルつけるためにトレーニングしてるんやから… https://t.co/Mvq6l9YWGM
— 松本孝行~放課後等デイサービス事業準備中~ (@outroad) 2018年3月19日
まぁこれに書いている通りなんだけどさ、なんで絵が上手ければ後は誰かがなんとかしてくれるなんて思えるんだろう?それって「いいものを作っていれば勝手に売れる」って言っていた、日本の電機メーカーと一緒じゃないか。いいものだろうがなんだろうが、それを売る努力は当たり前だがするべきだろ?
もちろん会社はそのための努力をすべきだが、絵がクソうまかったらそれだけしていればいい時代なんてとうの昔に過ぎた。プロレスラーだって、強かったらいいという時代は終わり、今はトップレスラーがテレビに出てアピールするし、レジェンドレスラーもプロレスを盛り上げるためにテレビやラジオ、新聞やらいろいろ出てアピールしている。
一つのスキルだけじゃ稼げない時代がきた
これがどういう意味かと言えば「一つのことだけできればOKという時代は終わった」ということだ。
ウェブ業界などは顕著だが、ウェブデザイナーだけで生きていける時代は終わった。ディレクターから依頼を受けてデザインカンプだけを作ればOK、なんて言うことはありえない。ウェブデザインからコーディングまでできて一人前、場合によってはお客さんとの交渉も行う力が必要な時代だ。
もちろんそれは絵描きも同じだろう。イラストだけ作っていればOKなんていう時代はとうの昔に過ぎて、イラストもそうだしシナリオを作ったり、場合によってはDTPなどのデザインもしなければならない。それでやっと食っていける時代になっているのだ。
「でもサラリーマンは楽してるじゃないか!」と思うかもしれないが、サラリーマンだって楽ではない。例えばトラックドライバーでも稼ぎのいい人はみんなの嫌がる深夜の長距離便で運び、その後に営業をして帰りの荷物を積んで帰ってきたりする。営業もすればトラックも運転するし、さらには荷物の積み下ろしなんかもしたりする。
営業マンだってそうだ。営業だけではダメでマーケティングの知識もいる。マーケティングをしっかり行い、営業を効率的に行って、初めて成果が出る。昔のように上から順番にテレアポをしていればいい時代ではない。もちろんテレアポを上から順にしていく仕事は根性があればそれなりに稼げるだろう。
障害を持つ人たちも最低限を学んでいる
私の関わっている障害者就労でも、障害を持つ人達は「一つのことだけできればいい」なんて言うことはない。最低限の知識、ビジネスに関しての振る舞いが求められている。それがたとえ中度・重度の障害者であってもだ。
そのためにSSTと呼ばれるソーシャルスキルトレーニングが行われている。挨拶をする、報告連絡相談をする、指示を聞く、指示取り行う、休憩前には声掛けをするなど、ちょっとしたことだ。でもそれができなければたとえ真面目に8時間同じ作業を続けられる能力があったとしても、評価されないのだ。
障害を持つ人ですらも一つだけできればいいなんて考えていないのに、絵を描けたらそれだけで評価しろなんて甘えるのもいい加減にしてほしい。
絵をかける能力が100あったとしても、周りと上手くやっていく能力が1しかなければ合計100の能力だ。しかし絵をかける能力が50でも、周りと上手くやっていく能力が10あれば、500の能力になる。一つのことだけできればそれでいいなんて、どの国でもありえない。
「いいものを作れば売れる」という考え方から脱出しなければいけない、というのは年齢の高い人向けに言う言葉かと思っていた。しかしまさか若者っぽい人たちまで「いい絵を描ければ評価されるべき」なんて思っているとは思わなかった。
日本の夜明けは遠いようだ。