放課後等デイサービスの施設を作ろうという話があり、そのためにいろいろと情報収集をしているのだが、知り合いから紹介されてリタリコのセミナーを聞きに行った。紹介してくれた知人は来ていなかったが、内容は新しいサービス「リタリコ仕事ナビ」についてだった。
内容はごくシンプルで食べログやじゃらんのような情報を一括でまとめてあるサイトだ。就労移行支援事業所はたくさんあるのだけれども、なかなかネット検索で見つけることが難しい。ということで、そのためにプラットフォームになるサイトを作ろうということだろう。
この流れというのは別の業界では普通に起こっていることで、福祉業界はやはり遅い。その代わり、他の業界が経験してきた流れだけあって、今後どういう方向に転がるか・進むかというのがわかるので、そこは対策を打ちやすいだろう。
先行するホテル業界では何が起こっているか
わかりやすいところ、早くから変化が起こっているホテル業界がわかりやすいだろう。ホテル業界は「楽天トラベル」「じゃらん」と言った国産サイトから「エクスペディア」「トリバゴ」といった海外産のサイトもある。予約プラットフォーム自体が競争をしている状況だ。
さて、ホテル業界で今起こっていることは下記のTwitterモーメントがわかりやすい。ホテル業界では「予約サイトの手数料が高い」ということでホテル経営者から文句が出ているのだ。で、一部ホテルではこういった予約サイトから独立しようという動きも出ている。
では予約サイトに対抗して、各ホテル会社はどのようなことをしているか?やはりそこはファンづくり、囲い込み、そしてSEO対策といったところだろう。例えばウェブマーケティングで言えばすべての有名ビジネスホテルがやっていることが「ベストレート保証」と「公式表記」だ。
アパホテル
スーパーホテル
東横イン
どうだろうか、見ていただければわかるが「公式」というキーワードが必ず入っている。これはSEO対策において、公式サイトを上位表示させるためのテクニックだ。これくらい大手のホテルになるとホテル名で検索してくる。だからそのホテル名で検索してくれたユーザーにクリックしてもらいやすくするテクニックなのだ。
そして価格も公式ホームページは最安値であるとどこかしらに書いてある。実際のところ、予約サイトと公式サイトでは価格は変わらない。公式サイトの価格を予約サイトよりも低くしてしまうと予約サイトからペナルティを受け、場合によっては表示させないようにする対策がとられるらしい。
なので予約サイトと公式サイトでは価格は変わらないけれども、予約サイトと同じ「最安値ですよ」とアピールするところが多いというわけだ。
障害者福祉サービスに予想される未来と対策
はっきり言うが、リタリコの進んでいる方向は全く正しいと思う。業界リーダーとして情報をまとめて一括集約するのは大手だからこそできることだ。そして情報をわかりやすくまとめてもらえれば、多くの就労移行支援サービス等のメリットは大きい。利用者・通所者にとってもプラスだ。
ただ事業者側から見たときにはもう少し先を考えなければならない。他の業界ですでに辿ってきた道というのがあり、ほぼ間違いなく障害者福祉も同じ方向へ向かう。その際に事業者がちゃんと準備をしておく必要がある。でなければ事業が回らなくなる可能性もある。
ホテル業界で言えば多くの予約プラットフォームができ、手数料が高いために予約プラットフォームで予約できる部屋数を絞ってきている。予約サイトでは満室だが、公式サイトや直接電話をすると部屋が意外に残っているのだ。できるだけ利益率の高い人のために枠を残すためだ。
正直、どういうことが起こるかと言うのはここでは書かないけれども、ホテル業界がヒントになるはずだ。新しいサービスとしてはすごく良いものだと思うけれども、事業者として考えるべきことは一つのサービスに依存しないことだ。利用者獲得のためのポートフォリオを作ってみると良いかもしれない。
たぶん、私が手伝っている事業所は使わないだろうなぁ(笑)