映画ロープ、見て来ました。結構面白いというか、紛争地帯で戦争が行われていたときに民間のNGO職員がどのような活動をしているか?それを追った映画だ。これを見て「ハッピーフライトに似てるな」と思った。
つまり映画内で時間が進んでいろんなことが起こっているように思うが、実際には大したことは起こっていないのだ。ハッピーフライトも飛行機が飛び立ってトラブルがあって飛行場に戻ってくる、それだけの話だ。
よくある戦争映画ではない戦争映画
紛争を取り扱った映画やよくある戦争映画といえば、戦車が出てきたり歩兵で進んで銃をガンガン扱ったり、人がどんどん死んだりしていく。派手な演出も多く、爆発音などが大きく響く映画がほとんどだ。
ロープの場合は戦争映画なのだけれども、戦争終了後の和平がなされた後の映画だ。和平後なので派手な戦闘はない。ないのだが、だからといって小さい諍い・争いがないかというとそうではない。さらに和平がなされたら自動的に何でもかんでも生活が良くなるかというとそうでもない。
そういうときにNGO職員の人たち、国連などが和平後に国民が生活できるような活動をする。今回は水がテーマで飲料水を確保するために井戸を浄化しようと試みる。素晴らしい活動にもかかわらず、人間うまくいかない事が多いというのを教えてくれる。
どんなに素晴らしい活動でも、どんなに素晴らしい考え方でもうまくいかないときはうまくいかない。そしてそれをあざ笑うかのごとく、簡単に物事が解決したりする。井戸水についてもそうだ。
ただ、最後に一つだけ「あ、よかったな」というシーンが出てくる。自分たちのした、ちょっとしたことではあるのだけれど、それで多くの人が救われたシーンだ。主人公たちは大したことはしていないし、どうなったのかもよくわかっていないだろう。それでも知らないところで救われている人はいたのだ。
なんだか紛争地帯の話ではあるが、我々の住む世界とも同じような気がする。頑張ってやったことが結局元の木阿弥、上からの圧力で動けない、現実と理想は違うことを知るなど…大変心にしみる映画だったように思う。