結構面白かったので一気に読んだ。久しぶりにこういうビジネス小説を読んだ。昔はよく三枝さんの文庫本を読んでいたが、アレと同じように面白かった。

戦略プロフェッショナル―シェア逆転の企業変革ドラマ (日経ビジネス人文庫)
- 作者: 三枝匡
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞社
- 発売日: 2002/09/01
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V字回復の経営―2年で会社を変えられますか (日経ビジネス人文庫)
- 作者: 三枝匡
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞社
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経営パワーの危機 会社再建の企業変革ドラマ (日経ビジネス人文庫)
- 作者: 三枝匡
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
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この本はとある紳士服企業、たぶん青木とかはるやまとか青山とか、そういうスーツを販売する企業のお話だ。いろいろと改革の足を引っ張る人も出て来るが最終的には「ちゃんとやる」ということが大事としている。
当たり前をちゃんとやる、実行が大事
経営学では様々なフレームワーク、スキームと言われるものが出て来る。例えばファイブフォース戦略、SWOT戦略、3C、4Pなど様々なフレームワークがある。コレに自社の状態を当てはめると、自社の状態がわかりやすく整理される。
が、こういったフレームワークを使ってもわかるのは自社の状態がどうである、ということだけだ。他社と比べて自社がどうである、自社のリソースがどう使われているなどがわかるが、それを実行するかどうかはまた別の問題なのだ。
もちろんこういった自社のことを理解するということ、他社との比較をするということは重要な事だ。だが、そこに実行力がともなわなければ何も生まれない。組織の中では何かしらの改革・新しいことをしようとすれば「それは採算がとれるのか?」「責任とるんだろうな?」など、後ろ向きなことを言う人は出て来る。
後ろ向きなことを言われて、そのプロジェクトが実行されずに頓挫したとか、実行するにはしたが人員や予算が中途半端になってしまって失敗したなんて言う話は結構多く存在する。
つまり意外にちゃんとやるということは組織が大きくなっていく上では難しくなっていくということだろう。
フリーランスも組織論を学ぶべき
フリーランス、一人会社で仕事をしていてこの組織の論理に出会うことはよくある。例えば担当者は「この日までにやりたい」と言っているが、実際はなかなか稟議が通らなくて、1ヶ月2ヶ月後ろだ押しになることもある。また、やろうと言っていたことがなくなるということもよくある。
個人で仕事をしていたらまずありえないようなことがクライアント先では起こりうるのだ。そしてそこには組織だからこそ起こる理由というのが存在する。我々フリーランスはその組織で起こっていることに思いを馳せてあげる必要はあると思う。もちろん逆に正論を吐いてあげるのも、外部の人間の役割だろう。
実はフリーランスだから組織の論理と無縁だろうと考えている人もいるが、それは間違いだ。フリーランスでも企業と付き合いがある以上、組織というものを理解しておく必要があるだろう。