今度はヨッピーさんですか。ヨッピーさんがブログで書いて、また炎上が広がってしまっている。一体今回の告発はなんだったんだ?岸さんのことなんて、みんな忘れちゃったんじゃないの?あらぬ方向へどんどん行っちゃっているよ。
しかもその方向に進めているのが残念ながら告発者とそれに近い人達なんだから、一体何がしたかったんだろうって思うよ。ヨッピーさんの上げたエントリーでセクハラ・パワハラを受けて我慢していた人、誰か一人でも救えるのかね?
岸さんvsはあちゅうさんの輪から出ていく人たち
今回、私は結構この騒動を追っかけているが、追っかけるきっかけになったのはタイムラインではあちゅうさんが童貞をバカにしているという話が出てきたくらいから。それまでは「あー、パワハラ・セクハラ案件やなぁ」くらいにしか思っていなかった。だからはあちゅうさんにぜひ女性を力づけるシンボルであって欲しいと思った。
しかし童貞をバカにしているという話が出てきて、かつその姿勢を全くおかしいと思っていないということがわかった時点で、私は態度を変えた。はあちゅうさん派から岸さん派に変わったのではない、どちらにも味方しない「無党派層」に変わったのだ。しっかりと謝罪していれば、このように態度を変えることはなかったが。
よくよく考えてほしいのだが、このムーブメントはパワハラ・セクハラを受けている弱い立場の人たちが世間に告発することで世論を味方につけ、最終的には尊厳を勝ち取ることがゴールではないか?と思う。であれば、世論を味方につけるということはすごく重要なことなはずだ。
それが今回の件で残念ながらはあちゅう派が減ってしまった。さらにヨッピーさんのおかげで「はあちゅうさんは嫌いだけど…」という消極的賛成派まで離れてしまった。どんどんムーブメントが縮小していき、違う方向へ進んでいる。
これがあなた方の求めた方向なのか?
悪行を働いたことがない人はいないからこそ、筋を通す事が必要
日本でもし悪いことをしたことがない、という人がいれば名乗り出てきてほしい。人をバカにしたことがない、子供の頃にファミコン・マンガを借りパクしたことがない、ケンカして人を殴った・蹴ったことがない、不良になって周りをビビらせたりしたことがない、匿名掲示板で悪口を書いたことがない、赤信号で道路を渡ったことがない…
程度の差はあるが、悪行を働いたことがない人なんてこの世にはいないだろう。なんらかの悪さをしたことがあるはずだ。みんな悪い、だから両成敗というわけではない。悪いことをした過去があったとしても、通すべき筋というのがあるのだ。
アウトレイジは「全員悪人」というキャッチコピーがついていた。まぁみんな麻薬売ったり殺し殺され、刺したり刺されたり、人を利用したり利用されたり、悪人だらけだ。悪人だらけの中、多くの人は主人公のビートたけしを応援しはじめる。悪いことはするが、筋を通すからだ。
筋を通すと言うのはそれほど強い影響力を持つ。たとえ悪いことをした人でも、筋を通した考え方や筋を通した行動をすれば、犯罪とは別にリスペクトされる。刑事ゆがみという漫画にも、泥棒を続けていた人間の話がある。泥棒から足を洗ったが、再度泥棒に入ったのは自分なりの筋を通したからだったのだ。
はあちゅうさんがもし筋を通すとしたら、単純に謝罪すべきだった。配慮が足りなかったと言うべきだった。それが通すべき筋だった。しかしそれをしなかった。だからこそ多くの人が離れていき、岸派・はあちゅう派ではない無党派が圧倒的に増えてしまったのだ。
日本の#Metoo、これでいいの?
はあちゅうさんのことも去ることながら、今の日本の#Metooは匿名で多くの人が昔あったセクハラ・パワハラについて誰にやられたかわからないように発信している。例えばこんな感じだ。
高3の頃夜道で襲われた。必死に抵抗して難を逃れたけど、それ以来トラウマになり、パニックになる時もあった。それもまた悔しかった。
— 遠山エーデル (@Deutsch_Italien) 2017年12月19日
が、できるだけ平静を装い、担任の男性教員に報告した。すると先生は『あなたも女として見られていたということですね』と言った。耳を疑った。#MeToo
というように単なる昔の恨みを発散するために#Metooが使われている。本来、欧米で使われている#Metooは有名でない女優が超有名監督や俳優にされたセクハラの告発で、実際に俳優が番組を降板するなど、大きなダメージになっている。ロンドンとニューヨークでは警察が動いて捜査しているそうだ。
つまりそれだけの影響があるのが、この#Metooなはずなのだ。それが今の日本の#Metooは昔の恨みを匿名のSNSで発散するだけ、もっと言えば今までの匿名掲示板の時代から全く変わらない使い方のままだ。本当に#Metooというのであれば、それなりのパワハラ・セクハラを受けた人は世間が味方をする方向に持っていかなければならない。
残念ながら自分も匿名、相手も名前を伏せているという状況では同情することはできても応援することはできない。応援したくてもしようがないのだ。ただ単に昔受けたことを匿名で相手もわからないようにボカして告発した、それを世間はどうやって応援したらいいのか?嘘かどうかもわからないし、冤罪かもしれない。そもそも匿名の人は誰なのか?
そんなものは応援できないのが普通だろう。
自ら火をつけて、自分で火を消した日本のムーブメント
残念なことにこの#Metooムーブメントは日本では広まらないだろう。はあちゅうさんの件もさることながら、このムーブメントを広めようとしている人たちの振る舞いが支持できないからだ。圧倒的強者に圧倒的弱者がやられるという構図なら分かり易いが、日本の場合はそうではないものが最初に出てきてしまった。
自ら有名人であるはあちゅうさんがこのムーブメントに火をつけたまでは良かった。しかしその火を自ら消してしまい、そして彼女の周りの人たちまでムーブメントの火を消し、ブレーキをかけようとしているのが残念でならない。
今の状況では岸さんの方が潔く・筋を通しているように見えてしまう。謝罪し、会社代表を辞任し、余計なことはあまり言わず、周りもフォローしないという状況を見ていると、彼の方を応援したくなってしまう。彼がやったことは許されないが、それでも再出発するなら潔く筋を通した人を応援したい。
日本と欧米の状況は違う。だからこそ、もっと慎重にやってほしかった。