関西人のお笑い好きは年末に毎年オールザッツ漫才を楽しみにしている人は多いんじゃないかと思う。2016年はやっとのことでクロスバー直撃が優勝ということで、結構ジーンとくるものがあった。
さて表題の件だが、お笑い芸人が「いじり」をするのを真似て、学校で友達をいじることは今の若い子でもあるだろう。確かにいじりは上手にできれば笑いが起こるわけだが、これらいじりがいじめに繋がるという危険性をはらんでいる。
確かにいじりはやりすぎるといじめになる。しかしではお笑い芸人のいじりはいじめへつながるから止めるべきなのか?私はそうは思わない。むしろガンガンやっていくべきだと思っている。
いじりの方向性が力の強い人にも向いている
お笑い芸人と学生や若い子たちが行ういじりの違いは方向性にある。
年末恒例の番組になったダウンタウンのガキの使いやあらへんでを見た方も多いだろう。斎藤工さん、西岡徳馬さんと最高に笑えたのだが、その中にダウンタウンがいじられていた。もう50代半ばということもあって「老いがひどい」と言われていたのだ。
じゃんけんを後出しで負けるというゲームをした際に、まったく出来なくて他の芸人からやいのやいの言われていた。芸歴も長く確固たる地位を築いているダウンタウンに対してだ。これこそがテレビで行われているお笑い芸人のいじりと一般のいじりの違いである。
お笑い芸人にとってはテレビで面白くなること、笑いが起こることがもっとも重要だ。たとえそれが年下に自分がいじられて起こった笑いだとしてもだ。出川哲朗さんのようないじられ方をしても笑いが起こればOKなのだ。
一方向のいじりと双方向のいじり
一回り以上年下の芸人にいじられるダウンタウンや出川哲朗さんのように、本来であれば力が強い側へのいじりが度々行われるのがテレビだ。他にもロンブー田村淳さんのようなMCもいじられる。梅沢富美男さん、梅宮辰夫さんといった大御所の方々もいじられることだってある。
では「いじめにつながる」とされているいじりはどうだろうか?ほぼ間違いなく、力のある人がおとなしい子をいじっていて、その逆はない。スポーツができて人気者、イケメンの人気者が暗いタイプの生徒に対していじっている。そしてそのいじりに反抗することを許さない状況を作っている。例えば暴力かも知れないし、無視かもしれない。
つまり一般人が会社や学校で行ういじりというのは一方的ないじりなのだ。しかしテレビで行われているいじりは大物も若手にいじられる双方向のいじりだ。だからこそテレビのいじりがいじめに繋がる、とは言えないのだ。
いじるなら、いじられる覚悟を持て
笑いを取ることが上手な人は一般人でもいるが、決してこのような一方的ないじりをすることは少ない。どちらかと言うと自分の欠点をさらけ出したりすることで笑いを誘うことが多いだろう。つまり笑いを取れる一般人はいじられることで笑いを誘う。
一方的にいじりをエスカレートさせていじめにつながるような行為は称賛されない。やるならいじられる覚悟を持つべきだ。おそらく人気者をキープしたい、いじられたらそれができないというくだらないプライドがあるのだろう。「俺はいじられるべき存在じゃない」なんて思っている間はいじめでしかないし、その状態で誰かをいじればそれはいじめにつながっていく危ないものとなるだろう。
いじるならいじられる、これが基本だ。鋼の錬金術師で多くの人も学んだかと思うが、等価交換が原則だ。テレビの真似をするなら自分もいじり、相手からもいじられる関係性を作るべきだ。いじめにならないいじりとは双方向性であり、いじめにつながるいじりは一方通行なのだ。