確かTwitterで知ったと思うのだが、この終戦記念日近辺では戦争の話が多くなる。まぁ先の戦争である太平洋戦争のことなのだが、そこで起きたことは多くの人が知っている。ただ、次々に知らなかったことというのがまだまだ出てくる。その一つがニコラス・ウィントンについての話だ。
チェコから遠く離れた海外に我が子を送る親たち
何をした人なのか?っていうと、子供をたくさんイギリスに送った人だ。戦争が始まる前、チェコスロバキアはドイツに占領されてしまう。占領される前から第二次世界大戦が始まるまでの間、ニコラス・ウィントンは知人が行っていた人道支援を手伝っていた。
その人道支援活動の中、多くの親が海外に逃げたいと相談に来ていたのだが、海外に移民として逃げるとしても、なかなか受け入れ先が見つからなかった。それなら子供だけでもと考えて、ニコラス・ウィントンに訴えた。
彼はその思いに答えようと様々な国に打診したがなかなかいい返事はこなかった。しかしついに母国イギリスからOKの返事をもらった。その後子供を何度かに分けてイギリスへ送り、最終的に669人も海外避難させることに成功したのだ。その活動から「イギリスのシンドラー」と呼ばれていたりするそうだ。
ニコラスが子供を送らなければ、親と一緒に強制収容所のガス室で殺されていたであろう子供たちも多く、彼の活動によって多くの命が救われた。そして新しい家族・命も生まれたのだ。後にニコラスはイギリスから勲章をもらったりもしているそうだ。
ロールモデルでありバトンを繋いだ人
このドキュメンタリー映画を見るとわかるが、ニコラス・ウィントンはまさにロールモデルと呼ぶにふさわしい人だといえるだろう。ロールモデルとは簡単に言えば「この人のようになりたい」と真似したくなる人のことだ。
個々人によって考え方も違うし、憧れる対象も違うのでロールモデルは一つではない。ただ、ニコラス・ウィントンはロールモデルになる人としてまさに「背中を見せる」ということが完璧に出来ている人のように思える。
例えば会社に上司や先輩がいても、憧れる対象に簡単になるものではない。周りの人から「あの人すごいんだって」と聞いてもすごいと感じない場合も多い。ただ、何らかの実績や実行力を見せつけられた時、そしてそれをその人が当たり前のようにこなしたときに「あ、この人すごいな」と思えるのではなかろうか。
ニコラス・ウィントンはこのような偉業を成し遂げたことを妻がノートを発見するまで一切話していなかった。自慢していなかったのだ。そして周りの人たちがノートを頼りに調査し、そして逃した子供達を見つけ出したのだ。自分を大きく見せない・自慢しない、しかし実績をしっかりと残していたからこそ、周りが評価したわけだ。
くわえて彼の行った行為は多くの人に語り継がれ、そして多くの人が自分でできる人道支援を考え・実行する影響力を持った。子供はたったひとつの洋服やアクセサリーを送るだけかもしれないし、大人は途上国に言って教育をしたかもしれない。それぞれにできることをしたのだ。
まさに私が座右の銘にしている「人生は後の世代にバトンを上手に渡すこと」を実行した人なのだ。私にとって、目指すべき高みにいる方でもある。
楽天さんありがとう
というわけで感動の実話物語であるニコラス・ウィントンのドキュメンタリー映画なのだが、これが楽天TVというサイトで見つかったのは幸いなことだ。私は楽天のことはMVNOで嫌な思いをしたことから、好きではなかったのだが、今回ばかりは感謝しかない。
楽天は嫌い、Amazon最高という人も多いだろうが、今回は楽天TVで見てみてはいかがだろうか?
追記:Amazonプライムでも来ましたよ~!