みなさんは検索をするときには何を使っていますか?Google、Yahoo!、Bing…今はこの3つかな?と思うけれども、昔はインターネット=Yahoo!という時代があった。私が小学生から中学生、高校生になるくらいの頃はまさにそうだった。つまりYahoo!がなければインターネットはできなかった。
今Yahoo!天気だとかYahoo!ニュースと言ったコンテンツは今も使っているが、それでもYahoo!はインターネットのごく一部になってしまった。他多数のうちの一つとなってしまったが、その歴史が書かれている。

- 作者: ニコラス・カールソン,長谷川圭
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
- 発売日: 2015/10/31
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
誰にもできない時代を巻き戻すこと
マリッサ・メイヤーは元Googleの幹部だ。Googleではユーザーインターフェースの改善で有名になり、プロダクトの開発・デザインで生きてきた人材だ。Yahoo!がGoogleやFacebookなどの新興勢力に負け続けているときに、彼女に白羽の矢が立ってCEOに抜擢されるのだった。
この本は2015年に発売しているので、2015年の半ばまでのことが書かれている。しかし2017年現在、彼女はすでにYahoo!のCEOを退任している。彼女が最後に行った仕事というのが、Yahoo!の主力事業をすべて売却することだった。つまり彼女にもYahoo!をコンテンツ事業として立て直すことはできなかったのだ。
おそらくだが、これはマリッサ・メイヤーだろうが他の人だろうが、同じ結果になったのではないだろうか。Yahoo!を昔のように、Yahoo!=インターネットの時代と同じように使ってもらうことなんてできなかっただろう。売却以外に方法はなかったのだと思う。
Yahoo!は多数のコンテンツを作っているが、そのコンテンツ一つ一つに対しても対抗する勢力が出てきている。Yahoo!ニュースにはSmartNewsやGunosy、ヤフオクにはメルカリなど、コンテンツそれぞれであっても、Yahoo!だけのものではなくなった。
時代は進んでおり、時代は巻き戻すことはできないのだ。それがどんな手腕を持つ人でも。時代に逆らうことなく、うまく乗りこなしていくためには、彼女の決断した売却が最も正しかったのかもしれない。