大阪の一部事業主の間では有名な話なのだが、従業員の介護支援に関する助成金の話題を知っているだろうか?介護休暇であるとか、介護のために会社をやめないといけないという状況を防ぐために、厚生労働省が新たに会社でしっかりと対策を行えば、助成金を出すというものだ。
これ、一見すると理念はいいように思うが、一部大阪でだけたくさんの申請が出て悪用する人もいたと言われているのだ。
介護と仕事の両立を支援するはずだったが…
この助成金は上記URLを見てもらえればわかるが、下記3つの取組みを会社内で行うだけで60万円の助成金がもらえるというものだ。
- 社内で介護と仕事の両立に関する聞き取り調査・アンケートの実施
- 従業員への社内研修とリーフレット等で情報を周知
- 介護に悩む従業員のために相談窓口を用意する
と言った内容だ。確かにいいことのように見えるが、事業主の一部や助成金コンサルタントで悪い考えをしている人は、これを見て「簡単に助成金が取れる!」と考えたのだ。
上記3つの取組みは対して難しくない。アンケートを従業員に配って回答させて回収、リーフレットをWordやIllustratorで作って配布、相談窓口の電話番号・メールを作ってリーフレットに載せておく、これでOKなのだ。
大した労力は必要ないし、コストもあまりかからない。まぁ介護離職を防ぐための第一歩なのだから、このくらいハードルを下げないといけなかったのかもしれない。それが逆に仇となってしまったようだ。
従業員1~2名の会社が申請、場合によってはその後に倒産も…
産経新聞がこの大阪の申請が突出しているという点を報道しているが、なぜ大阪でここまで広まったのかは不明だ。おそらくこうすれば助成金60万円がもらえると、多くの人に触れ回った人が多かったのだろう。しかも簡単に取れるからと、事業主間の口コミで広がったものだと思われる。
この話、産経新聞には従業員1~2名の会社で申請が行われる、設立間もない会社からの申請があるなどが書かれている。つまりこの助成金には申請要件として法人の設立が新しい・古いとか、従業員が何名以上じゃないとダメとか、そもそも介護離職を防ぐために努力した証明とか、そういうものもいらなかった。
だからみんな気軽にポンポン申請を出したのだ。この助成金の理念自体は悪くないのだけれども、抜け道があるために、考えていたことと違うような申請が増えてしまったというわけだ。
物事は狙い通りに行かない、主観と客観も違う
この介護助成金に関しての話は去年聞いて、今年2月くらいにも社労士の方からこういった話を聞いた。古い話を思い出しのは下記のブログを読んだからだ
startup-yotsubu.hatenablog.com
このブログを書かれている人は特に悪気がないと思うし、何よりも「これならいける!」と善意で書かれていると思うのです。実力主義になれば若い人が実力を出して、より良い案が実行されて地方はハッピーになれる、というように。
確かにそういう面もあるんだけれども、上記の助成金の例を見てもわかるように、善意でいいと思うことを進めたとしても、そのとおりに行かないことは多いのだ。主観と客観は違うし、主観よりも客観によって物事は動いていくのだ。
ちなみに大阪は助成金関係は色々噂があって面白いので、調べてみてもいいかもしれない。