ナイスミドルになりたい~松本孝行のブログ~

教育とか雇用とかの社会問題、後は趣味のマンガを中心にしたテーマで書いてます。アゴラや自社サイトにかけないだろうなーっていう話題がメインです。

男性の育休が取れないのは正社員「総合職」という身分制度が原因

前々から言われていることではあるが、日本の男性は育休を取れない。どんくらい取れないかと言うと、3%程度しか取得していない。30人の男子校クラスで1人しか取得できないのだ。

男性の育児休暇取得率のグラフ

(参照:http://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/h29/zentai/html/zuhyo/zuhyo01-03-10.html

そりゃこんな状況だと、イクメンだとか育休を取る男性が注目されて当たり前だ。なぜなら希少価値が高いのだから。

しかしなぜこんなに少ないのか?といえば正社員、特に総合職という日本独特の身分制度が大きく関係している

仕事を切り分けられないから総合職

正社員と言ってしまうと分かりづらいかもしれないが、ホワイトカラー正社員のほとんどは「総合職」と呼ばれている。総合職の反対語が一般職だが、下記のような説明がWikipediaに掲載されている。

総合職は、管理職及び将来管理職となることを期待された幹部候補の正社員である。役務は非定型的であり、企業が享受する具体的な利益(主に金銭面)を考慮した上であらゆる役務に臨機応変に対応する実務能力が要求される。

総合職に対して、一般職・現業職と呼ばれる職掌がある。ここでいう一般職は、一般事務などの定型的・補助的な業務を担う正社員である。現業職は、技能職・技術職・専門職などさまざまな呼び方があり、具体的には工場におけるライン作業、設備保全、プログラマー(コーダー)、設計者、経理、財務、調剤など専門業務に従事する正社員である。場合によっては難度の高い有資格者もいる。

つまり正社員の総合職というのは職務が切り分けされていない。会社から命じられたら、あらゆる業務をしなければいけない。一方の一般職は定型的な業務であり、さらに補助的な業務を担う。OLを始めとしたホワイトカラー一般職が派遣社員に切り替わることができたのは定型的な業務だからだ。非定型業務の総合職正社員は派遣社員では変わりづらい。

例えばOLのやることはファイリングや電話・来客応対、請求書等の作成業務と決まった範囲を出ることはない。運送会社の社員なら決まったルート配送。小売の店員なら販売・接客。エステサロンの店員なら接客と施術だ。このように、やることが決まっている。だからこそ替えがきく(=育休を取る社員の補充をしやすい)のだ。

正社員総合職の場合はそうはいかない。やることが決まっていないのだから、その正社員の代わりをできる人を探そうとしてもそうはいない。社内の根回しができたり、独自のネットワークを持っていたり、仕事の進め方もその人に任せられたりする。たとえ営業でも、「この人だから取引をしている」と取引先から言われる場合も多い。他の人がポンと来て、変わることなんてできやしないのだ。

他の人が変わる事ができない仕事をしているのであれば、その人が休めば一気に仕事が止まってしまいかねない。

育休取得の最初の一歩は職務領域の明確化

そんな状況で「男性も育休とってね」なんて言われても、取れるわけがないのだ。つまり育休を取得するために必要な第一歩は職務領域を明確にすることなのだ。職務領域を明確にすれば、その職務を行える人を一時的に非正規雇用・派遣社員などで雇うことができる。つまり1年や半年の契約で代わりをしてもらえるようになるだろう。

もちろん、仕事を取られて復帰できないなどの問題も出てくるが、それは日本がしっかりと契約社会に向かっていけば防ぐことも可能だ。それよりもまずは職務をしっかりと切り分けて、定義することだ。営業マンを未だに総合職で採用する必要なんて無いのに今も総合職で採用している日本の企業が育休を取れるようになることはない。

いつまでスキルを過小評価して新卒採用をするのだろうか

diamond.jp

上記の記事で採用担当者はどのように考えているのか、最近の就活に関しての考え方・捉え方などが勝たれている。覆面座談会なので実際にどのような企業かはわからないが、業種だけはわかる。

スキルを軽視して、未来はあるか?

そこで商社の採用担当者が下記のようなことを話している。

スキルはあまり評価していません。英語力ももちろんあった方がいいけど必須ではありません。何を見るかというと、一番は協調性。次にタフさ。人生でどんな壁にぶち当たり、その壁をどうやって自力で乗り越えようとしたか。そして会話力も見るようにしています。われわれの仕事は相手の意図をくみ取って会話していくことが重要ですから。

つまり大学時代に何をやってきたかということは評価しないということだ。例えばMBAを採っただとか、プログラミング系の勉強をして基本情報技術者試験に合格したとか、税理士試験の2科目に合格しているとか、そういうのはあまり評価しないという。

確かに、商社という商売は卸・金融・投資の3つを扱っていて、これらは学校の勉強や学生時代に学んだことが活かせるようなものでもないだろう。しかし、売買に関する勉強や実際にECサイトや小さなショップをしていたというのは卸売や小売、BtoBtoCの仕事などに役立つだろう。

金融・投資の知識はネットにも多いし、資格もあるし、実際に自分でお金を出して投資することも出来る。そこで実績をつけてスキルを身につけるということが、商社の仕事にもつながるだろう。しかし上記の採用担当者はあまり見ないという。結局、日本の企業はスキルを軽視し、コミュニケーション力を重視するということなのかもしれない。

私も職業訓練の講師をしているときは「スキルもよいが、一緒に働きたいと思える人になろう」と言っている。採用する企業側に合わせざるを得ない。

学生時代のリードを無にする理由は何か

今でも覚えているが、内定をもらった企業には自分のスキルや実績、経験というのをバカにされたと感じている。結局入社しなかったのだが、学生時代に私は簿記と初級シスアドを取得していた。さらに中小企業診断士の勉強もしていた。経営戦略と情報は結構いい点を取れていたのを覚えている。

内定をもらった企業では簿記2級を内定者で取得することが求められていた。しかし私はすでに持っていたので、特に勉強することはなかった。すると内定者研修担当者から「あなたもみんなと一緒に試験を受けなさい」と言われた。

私が就職しようとしたのは2006年だから10年以上前で、これと同じことが今も行われているかどうかはわからない。しかし当時は新入社員は横並びであるべきと考えられていた。学生時代にどんなに頑張っていたとしても認められなかったのだ。サークルで遊んでいた人も、バイトばっかりしていた人も、ビジネスに役立つ資格を先立って取得していたものも、同じように扱われた。

結局、私はこの会社を蹴ったのだが、こういう状況が続いていいのだろうか?学生時代に頑張ってきた人間が報われない世の中は正しいのだろうか?

努力した結果は目に見えてわかる

最近、米村社長がブログに書かれているが、プログラマになりたいなら先にプログラミングにチャレンジすればいいという。プログラミングにチャレンジする土壌は日本にある。パソコン一つあれば出来るわけで、誰でもアクセス可能だ。だからこそ、少しでもやってみたという結果が欲しいのだ。

やってみれば必ず結果が出る。プログラミングもそうだし、簿記などの資格もそうだ。成果物があればはっきりとわかるし、成果物の手前である仕掛品的なものでも良い。そういった物があれば、「この人は本気なんだな。スキルを身につけ始めているな」とわかる。

axia.co.jp

しかし、こういうスキルや経験をIT業界が求めているのと違い、一般的な新卒採用は未だにポテンシャル採用だ。ポテンシャルだから、大学時代にビジネスに役立つ勉強や研究などをしている必要がない。日本の企業は世界に負け続けているが、採用の面でも世界に負けないためにも考えるべき事があるのではなかろうか。

 

【Live! ECサイトカイゼン講座 Live! ECサイトカイゼン講座】ウェブショップってどうやって良くするの?がわかる本

Live! ECサイトカイゼン講座

Live! ECサイトカイゼン講座

  • 作者:野口 竜司
  • 出版社/メーカー: 翔泳社
  • 発売日: 2014/02/25
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

ECサイト、ウェブショップの利用は今や年齢に関わらず当たり前の世の中になっている。日本のEC化率は6.22%とのこと。食料品やアパレルなど、様々な商品を購入する流通ルートの6%強がECサイトからだということだ。世界的には中国・アメリカのような巨大市場よりも額も割合も小さいが、それでもEC市場は伸びている。

www.ebisumart.com

そんなわけで、「私もネットショップやりたい!」という人は少なくないと思う。そこでLive! ECサイトカイゼン講座のような本が役立つというわけだ。

分析&改善を繰り返して売上を増やす

ではどのようなことをして売上を増やしていくか?といえば、分析と改善を何度も繰り返すということだ。売れている商品は?売れている価格帯は?販売が多いルートは?広告は何が有効?などを分析し、改善していく。

例えば売上が前月比10%増えたとしよう。その増えた理由は何か?リピーターが増えたのか?新規顧客が増えたのか?1回の販売金額が増えているのか?などをGoogleAnalyticsを中心に見ていく。GoogleAnalyticsは無料で使えるし、非常にレベルの高い分析ができる。

書いていることはマーケティング的には当たり前のことも多いが、この当たり前のことができていない店舗は多い。ぜひ当たり前に分析と改善を繰り返して売上を伸ばしていく参考資料に使ってみてはいかがだろうか。

賃金が上がらないのは非正規社員が増えているからだが、なぜ非正規社員が増えるのか?

野口悠紀雄先生のダイヤモンドの記事だが、日本は賃金が上がらない国になったと分析の結果を示している。実際、賃金が上がらない理由は大企業・中堅企業が非正規社員ばかり増やしたからだという。

diamond.jp

2012年以降、落ち込んでいた日本の付加価値が上昇に転じているという。確かに一人あたり付加価値は上昇している。しかしそれでも非正規社員で対応しているので、賃金は上がらないのだという。

非正規社員は付加価値が高いのに賃金が低い?

ここで一つ疑問があるとすると、非正規社員ばかり増やしているにもかかわらず、一人あたりの付加価値が上昇している。正社員が減って非正規社員が増えているのに、一人あたりの付加価値は上がっているのだ。ということは、非正規社員は正社員よりも付加価値が高い、ということが考えられる

となるとまたここで不思議なことが起きてくる。なぜ付加価値が高い非正規社員の賃金が低いのだろうか?一般的に信じられているのは出来る人には高い賃金が、できない人には低い賃金が払われるというものだ。確かにアルバイトでも出来る人は時給が100円高かったりするし、歩合制の営業マンは営業成績がよければもらえる給料は高い。

しかし現在は一人一人の付加価値が高くなっているのに、賃金が上がらない状況になっている。加えて、賃金が上がらないだけでなく業績が好調な企業の早期退職募集が相次いでいるのだ。

maonline.jp

これもおかしな話で、リストラや希望退職を募るのは企業の業績が悪くなっている場合だ。しかし今回希望退職を募集する企業はほぼ黒字の企業ばかりだ。

正社員という身分を是正する必要がある

一人あたりの付加価値が上がっても賃金が低い。黒字で希望退職を募集する。なぜこんなことが起こるのか?はっきり言えば、これは正社員という身分制度が原因だ。正社員というおかしな身分制度があるせいで、一般的に考えられている原理原則が通用しないのだ。

だからこそ業績が良い今のうちに正社員を減らしておき、非正規社員に置き換えようとしている企業が多く出てきているわけだ。非正規社員の方がしっかりと付加価値に対して報いる事ができる。企業の業績が上がれば給与を増やし、業績が下がれば給与を減らすということが出来る。何よりも解雇も容易にできるのだ。

非正規社員が増えて付加価値が上がっているなら、非正規社員の賃金はどんどん上げてやるべきだ。そのための原資として、正社員を減らして余った分を回そうということなのだろう。ある意味、正社員という歪んだ仕組みを是正しようとして、ちょっと変な運用が行われていると考えられる。

身分が守られすぎると、社会に対して悪影響を与えかねない。国鉄時代はひどかったというはなしがまとまっているので参考にしてほしい。水も流れないと濁るのと同じで、流動性がなければ、人間の集団はおかしくなっていくのだ。

togetter.com

今正社員である人たちが何かをする必要はない。今、正社員である人たちになにか問題があるわけではなく、制度そのものの欠陥なのだ。少しずつだが、この欠陥が民間企業の努力により変わっていく、その過程に我々はいるのだろう。

追記

10月の景気動向指数が発表されたが、前月比5.6ポイント低下の94.8となった。これで不景気に突入することになったので、たとえ正社員を上手に整理できたとしても賃金が上がっていくのは随分先になるのだろう。

www.nikkei.com

多様な働き方を狭めたことで経済にブレーキ、消費者に不便を、労働者に過重労働を課すことに

これ、東京もそうだけど大阪でも同じようなことを見る。一番多いのは飲食店、その次に多いのは小売かな。お客さんがいるけれども店員さんが少ないために、なかなかレジがさばけないっていう現象。サイゼリヤなんてホール1人か2人で回してて、ギリギリうまくやってるなーって思った。

仮に田端さんの言うように時給を少し高くしたとして、アルバイトが集まるか?っていうと、集まらないだろう。実際に会社で採用をしていたこともあるし、採用支援をすることもあるので肌感覚で1300円では集まらないと思う。というか、時給をたとえ上げたとしても集まらないだろう。

その理由は「働き方の多様さ」「職業の格が低い」という2つの理由があるのではないだろうか

日雇い派遣が禁止され働き方が狭まる

まずひとつ目の理由、「働き方の多様さ」という点では日雇い派遣の禁止が一つの理由に挙げられる。日雇い派遣は2012年(平成24年)に原則禁止された。リクルートワークス研究所によると、2008年時点で日雇い派遣で働いている人たちの人数は9.3万人だったという(参考) 。2012年に日雇い派遣が原則禁止されてから、パート・アルバイトの数は80万人以上増えているので、ほとんどがパート・アルバイトに吸収されたことになる。(参考)。

日雇い派遣のいいところは空いている時間にパッと働くことができる柔軟性だった。もちろんパート・アルバイトでもできなくはないが、直接雇用ということもあり人情の入り込む余地が大きい。そのため、好きなときだけ働くのではなく、みんなで助け合ってシフトを組む、ということにも参加しなければならないだろう。

日雇い派遣の禁止が現場を苦しめているという可能性は高いだろう。

多様な働き方を望む人が増えている

さらに労働力調査によると、非正規雇用を選んだ理由として「自分の都合の良い時間に働きたいから」という人が右肩上がりで増えている。日雇い派遣の原則禁止の翌年、2013年から2018年の5年間で男性は50万人以上、女性は100万人以上増えている。一方で「正規の職員・従業員の仕事がないから」という男性は右肩下がりで約40万人減少している。

自分の都合の良い時間に働きたい人が右肩上がりに増えているグラフ

元々日雇い派遣の禁止は、年越し派遣村騒動を始め派遣という働き方が狙い撃ちされて規制が強化された。日雇いを禁止すれば正社員が増える、そういう狙いだったのだろうが、残念ながら正社員は増えなかった。それどころか自分の都合が良い時に働く、自由な働き方を希望する人が男女ともにどんどん増えている。トレンドとは真逆の政策が実行されてしまったわけだ。

自分の都合の良い時に働くという意味では、ウーバーイーツが非常に象徴的だ。ウーバーイーツの登録配達員数はどのくらいかは不明だが、都心部でよく自転車を漕いでいる人たちを見かけるようになった。ウーバーイーツの配達員は自分の都合が良い時に働くことができる、まさに多くの非正規雇用が希望している働き方と言える。

ある意味、ウーバーイーツはこの非正規雇用で働く人達のトレンドを捉えたといえるだろう。ここまで自由な働き方は今のところ、日本の他の業界では通用しないため、ウーバーイーツに人が集まっているのだろう。

給料が低いのにホワイトカラーの事務を求める理由は?

もう一つ、給料を上げても人が来ない、給料が低くても人が来るという理由の一つの事務職への過剰な就職希望数が挙げられる。下記は過去の記事で、東京のハローワークの数値をまとめたものだ。事務職の給与があまり高くないにも関わらず、有効求人倍率が0.55倍になっている。つまり1つの求人におよそ2人が応募しているという状況だ。

www.t-matsumoto.com

本来、給料が高ければ応募が増えると田端さんを始め多くの人が考えているが、実はそうではない。給与が高くないとしても、事務職は多くの応募があるのだ。

私が思うに、これこそ「職業の格」ではないかと思う。事務職は格が高く、警備員やサービス業などの職業は格が低いと多くの人が思っているのではなかろうか。職業に貴賤はないというが、裏返せば多くの人が職業に貴賎があると考えているからこそ、このような言葉が生まれているのだろう。

職業としての格が上がらない限り、給与を上げても応募は増えてこないだろう。

キャバ嬢・AV女優が今や人気職種に

逆に昔に比べて職業の格が上がった職種もある。

例えばキャバ嬢は非常に格が上がった。昔はナイトワークはあまり良いイメージがなかったが、漫画・ドラマなどでキャバ嬢を扱う作品が増えた。そしてキャバ嬢がなりたい職業ランキングに入る、なんて言う話もあったくらいキャバ嬢は女性のなりたい職業になっている。

さらにAV女優も非常に格が上がった。きれいな方が多くなった、ということもあるだろうが、紗倉まなさんが執筆活動やコメンテーターをするなど幅広い活躍をしたり、明日花キララさんの生き方に憧れたりするようになった。中国で人気になった蒼井そらさんのように、グローバルに活躍する姿も格を上げる一つの要因になっただろう。

キャバ嬢にしてもAV女優にしても、高収入というのも大きな要因だとは思う。ただ、今までは高収入とは言え、キャバ嬢になる人は限られていたし、AV女優になる人は少なかった。芸能人もキャバ嬢だった過去を隠していたのが当たり前だが、今ではAKBのメンバーで「昔キャバクラで働いていた」と話すタレントもいたりする。

高収入という面もあるが、それ以上に格が上がったことが多くの女性が働くようになった理由の一つといえるだろう。

お笑い芸人は稼げなくてもなりたい職業

給与が低くても応募が多いという意味ではお笑い芸人も同じだ。お笑い芸人は下積みをして、アルバイトをしながら生活しなければならない。舞台も最初は500円しかもらえないなど、テレビでお笑い芸人が話している。そして成功できるのも一握りだということも。

にもかかわらずNSCには1000人近い人が入学してくるそうだ。元お笑い芸人の方が書かれているブログでは600人の入学者がいたそうだ。東京600人、大阪400人で約1000人が入学してくるとのこと。あれだけテレビで売れている人たちが苦しかった過去を話しているのに、それでも入ってくるのだ。

monzzy.tokyo

どんなに給料が低くてもなりたいという人はいるのだ。

職業の格を上げ、自由な働き方を担保せよ

いくつか統計や事例を上げてきたが、結局のところ給与を上げるだけでは人手不足は解決できない。これは確実だ。

ではどうすれば人手不足が解決できるか?それは職業の格を上げて、自由な働き方ができるようになればいいのだ。飲食店やサービス業の職業の格があがり、働き方がウーバーイーツのように空いた時間でも働けるようになれば、応募も増えるだろう。もちろんどちらかだけでもいい。

給与を高くする以外の方法を採用に取り入れる事、これがポイントだろう。

日本の従業員は全体の過半数なのに、日本の販売台数は4分の1しかないトヨタ

www.nikkei.com

トヨタの労使交渉が長引いたそうだ。そこで社長の豊田章男氏から「組合・会社ともに危機感がないのではないか?」と一括したそうだ。結果的には交渉はまとまっていつもどおり満額回答だったそうだ。

さて、なぜこのようなことになったのか?トヨタの現状を見ていただければ、一目瞭然といったところだろう。あまり詳しい資料はないが、トヨタが公表している資料だけでも、ある程度推測できる。

多すぎる従業員を抱えていることは明らか

トヨタのコーポレートデータ

 (参照:https://www.toyota.co.jp/pages/contents/jpn/investors/library/annual/pdf/2018/ar2018_4.pdf

上記の図を見てほしい。トヨタが発表しているもので、正確な数字はわからないのだが、右の円グラフ3つを見てほしい。上が従業員数の割合、真ん中が生産台数、下が販売台数だ。そして、その中でも青色が日本だが、まとめると下記の通りになる。

  • 全従業員の過半数が日本人従業員
  • 日本での生産台数は世界での生産台数よりも少ない
  • 日本での販売台数は世界の約25%

つまり今のトヨタは日本で多くの従業員を雇用しているにもかかわらず、生産台数は少なく、販売台数は大変少ない状況なのだ

当たり前だがビジネスは生産性を上げて行く必要がある。トヨタはグローバル企業なので、世界を基準にして生産性を向上させていかなければならない。データを見れば、生産性が高いのは海外だし、海外のほうが販売実績も良い。であれば、本来なら海外で生産して海外で作るほうがコストを抑えることができ、利益も多く残せる。

しかし今のトヨタは日本人従業員を多く雇用しながらも、あまり生産ができていない。本来、海外で雇用して生産すれば、何倍にも生産力が上がる可能性がある。ましてや海外にトヨタの工場を建設し、トヨタで働く人が増えれば愛着を持ってトヨタ車を購入してくれる可能性もある。それらのチャンスを見捨てているのだ。

だからこそ豊田章男社長は一喝したわけだ。

日本が足を引っ張る状況をいつまで許容できるか?

トヨタの発表している資料から見ても、日本の従業員はトヨタの業績の足かせになっている。この状況をどう考えるのか?そして、それがいつまでも続かないということを気づかせたいということなのだろう。

トヨタの業績から見ればあと数年はこのままでも大丈夫だろうが、いつかはグローバル競争に負けないために、日本でのあり方を考えなければならないのだろう。そしてそれは近い将来なのではなかろうか。

エビデンスに基づいて判断し、感情に訴えてマネジメントする

少し前まで法人経営をしていたのだが、今は手放して完全にフリーランスとしてウェブマーケティングやサイト制作などをしている。で、その際にマネジメントのことをよく悩んでいた。

最終的に法人を離れた今、こうすべきだったんだなーというのは「エビデンスに基づいて判断して、感情に訴えてマネジメントする」ことだ。これが正解だったんではないか?と思う。

ヒューマンリソースマネジメント

エビデンスを示しても理解できるとは限らない

文系人間だが結構エビデンスを重視している。どういう理由が会って、どういう根拠があってそういう判断を下したか?は重要。同じ決断をするにしてもエビデンスを持って判断するようにしている。

ただ、これは俺がそういうタイプの人間であって、別にそうじゃない人はたくさんいる。むしろエビデンスを示されたところで、そんなの知らんという人のほうが労働者には多いように思う。

例えば「会社の成長にはこの施策が非常に有効だ、なぜならこういう統計があり、先行事例もある。弊社も同じようにこうするのでやってくれ」と言う意思決定を伝えたとしよう。従業員としては「エビデンスを見ても確かに言うとおりだ、社長の言うようにやりますね」となるか?というとそうではない。

「メンドクセー」

「いや、既存の顧客に説明するのが難しい」

「やること増える、行動変えないといけないのが嫌だな…」

と思うものだ。

つまりエビデンスで伝えたところで、それは従業員が動く根拠にはならない。たとえ会社が成長する、より顧客のためになるとしてもそれはその従業員にとって重要な判断基準にならない。もっと言えば従業員の自分ごと化につながらないのだ

従業員が自分ごと化するには感情に訴える必要がある

じゃあ従業員にどうやって動いてもらうのか?というと、エビデンスに基づいて行動してもらうのではない。エビデンスに基づいて判断するのは経営者や意思決定者がやればいい。その結果の行動や課題解決の方法などを指示して動いてもらうのだ。

指示して動いてもらう時にはエビデンスが云々とか理論的な話はいらない。そんなことよりも、しっかり今までの仕事への感謝を示し、従業員の働きを評価していると言い、そしてあなただからお願いしたいと下からお願いするのだ。すべて相手の感情に訴えて行動する。それを何度も繰り返し行う。

ちょっとした仕事の変更などに給料の上下を伴うことはできないのだから、こうやってなんとか毎日のルーチンを少しずつ変化させていくようにするしかないだろう。まぁ私はその根気がなかった(笑)それならフリーランスに契約ベースで頼んだほうが、しっかりやってくれると思ってしまった。

合っているかどうかを検証することはもうできないが、それでもエビデンスベースでは従業員は動かないということを学んだことは大きかったなと思う。

一流という言葉がビジネスで流行している理由は?

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最近、ちょくちょくビジネス系のコラムとかで見る「一流」という言葉。2,3年前まではそんなに見かけなかったが、ここ最近多いように思う。

gendai.ismedia.jp

president.jp

diamond.jp

なぜこんなに一流っていう言葉が出てきたんだろうか?おそらくだが、この一流という言葉の持つ曖昧さが使いやすかったのではないだろうか。

一流とはナンバーワン・オンリーワンではない

そもそも一流というのはどういう意味なのだろうか?

  1. その分野での第一等の地位。第一級。「一流の評論家」「一流ホテル」
  2. 他とは違う独特の流儀。「彼一流の論法」
  3. 芸道などの一つの流派。
  4. (「一旒」とも書く)旗やのぼりの1本。ひとながれ。 「―の信号旗を掲ぐ」〈竜渓・浮城物語〉
  5. 同族。血統を同じくするもの。 「この―のみ絶えずして十余代に及べり」〈神皇正統記・村上〉
参照:一流(イチリュウ)とは - コトバンク

いくつかの意味があるが、その中でも1番の「その分野での第一等の地位、第一級」という意味で使っているかと思う。

以前まで見かけたのは一流ではなく、ナンバーワンが多かった。例えば「ナンバーワンホストが~」「ナンバーワンキャバ嬢が~」「移動販売ナンバーワンが教える~」というような感じだ。それが今は一流というのに変わっているように感じる。

今まではナンバーワン、つまりオンリーワンでありその分野で1人しかなれないというものだった。銀座キャバ嬢No.1というと、銀座のキャバクラ全体で1人しかなれない、かなり特別なイメージがあった。つまり一般のビジネスマンが参考にしても目指せない、なることができない存在だったように感じる。

しかし一流となると違う。一流はある分野に一人であるとは限らない。むしろ複数人いることも想像できる。だから、一流と言われると「何人かいる中の一人にはなれるかもしれない」と感じることができる。つまりNo.1に比べると、だいぶ間口が広がったイメージをもたせられるのだろう。

でも、そもそも一流って何よ?

しかしよくよく考えてみると、一流ってなんだろうか?コトバンクにある一流の評論家とか一流のホテルってどういうものだろうか?一流のホテルというと、ペニンシュラやリッツカールトンなどが考えられる。じゃあヒルトンはどうなんだろうか?ホテル日航は一流か?ホテルモントレだったらどうだろうか?

そう、一流の○○となると、その定義が決まっていないのだ。一流のビジネスマンというが、その一流のビジネスマン像というのは人によって違う。たくさん稼げる営業マンを想像する人もいれば、部下に慕われるマネージャーを想像する人もいるし、毎日勉強をして理路整然と主張する人のことを想像する人もいる。定義が決まっていないので、自由にコラムを書きやすいのだ。

一流のビジネスマンが朝5時に起きる理由」とか「一流のビジネスマンはなぜNOと言わないのか」とか「なぜ一流のビジネスマンは飲み会を断らないのか」とか、なんとでも作れるのだ。こういう自由度の高さというのも、ビジネスコラムを書く人に好まれるから、一流という言葉が多く使われるようになったのかもしれない。

他人が認めればそれが一流

結局、一流の○○というのは定義がないわけで、一流になるために何をしたらいいのか?と問われれば、そんなものはないとしか言えない。ただ、一つ確実に言えることは一流とか「この人すごい」というのは周りの評価によって決まるということだ

No.1の場合は数字ではっきりと出るが、その人が一流とは限らない。周りの人が「この人はすごい」「この人は一流だ」と評価して初めて一流になれる。だから一流になりたければ周りの人に評価される人になれ、というのが正しいだろう。周りの人の評価ばかり気にしているのが正しいとは全く思えないけれども…

まぁ「一流」という言葉がタイトルに入っているビジネスコラムは読むに値しない、と考えて問題ないのではないだろうか。

セミナー・イベントのスライドを写真で撮影するのは是か非か

本日、大阪で行われているネットショップ担当者フォーラム・Web担当者Forum2019in大阪に参加してきた。大阪・関西に住んでいても、なかなかグランフロントというのはわかりにくいものなんで、グランフロントでイベントを開催する際は1階などで案内してほしい(笑)

netshop.impress.co.jp

さて、今回のイベントで目立ったのはセミナーのスライド撮影・録音・録画は禁止」という文言だ。録音禁止、というのはたまに聞くけれども撮影禁止というのはここ最近増えているなと感じる。私もセミナーをするときにはよくスライドをパシャパシャ撮影されるのだが、特に困ったことはない。

なぜセミナーのスライド撮影をまで禁止するのだろうか?

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パソコンのキーと同じくうるさいから?

案内のスライドの一つにパソコンの音がうるさくないようにというものも出ていたのを考えると、もしかするとうるさいのを気にしているのかな?というようにも感じた。確かにパソコンの打鍵がうるさいという話はたまに聞く。それと同じようにパシャパシャ音がうるさいというのももしかしたらあるのかもしれない。

とはいえ、パソコンの方はお静かにということであって、写真は全くだめなのだから、その差というのは何なんだろう?と感じる。

SNS時代に禁止は損ではないか?

今やSNSで当たり前にセミナーの内容、会社についての評判が共有される時代であり、転職サイトなどに会社の評判なども掲載される時代だ。そんなときにあえてスライドを撮影しないでください、というのは損をするのではないか?と感じる。

本来だったらスライドの写真を用いてブログを書いて、そのブログを共有することで会社や公演者のネームバリューが上がるというプラスの要因があったはずだ。それを捨ててまで、あえて禁止するというのはそれだけ大事な情報があるのではないか?とも考えてしまう。

まぁ実際にそこまで守秘義務になるような内容でもないと思うし、もっと気軽にシェアしてもらいたい。少なくとも今回は大阪だからいいが、東京で行われるセミナーは地方ではシェアしてもらわないと情報格差が生まれてしまうのだから…

独自のQRコード決済を入れて業績を落としているセブン-イレブンとファミリーマート

www.nikkei.com

日経がセブン-イレブンの7月の業績について報道している。セブンペイの問題で揉めたことによって、セブン-イレブンは全店舗での売上減につながったのでは?という分析をしている。

確かにかなり揉めたというか、問題になったセブンペイだが実際にセブンペイで問題が発覚して、その後の対応が良くなかったから売上が落ちてしまっている、とは言えない。なぜなら、7月の業績についてはセブン-イレブンだけでなく、ファミリーマートも全店舗の前年比売上高がマイナスになっているからだ。

この2社に共通するのは、セブンペイとファミペイという独自のQRコード決済サービスを提供しているということだ

業績を落としている

ファミペイもトラブルを起こしたことが原因?

今回、セブン-イレブン、ファミリーマート、ローソンの3社を比較してみる。参考にしたのは各社の月次情報だ。

www.7andi.com

www.fu-hd.com

www.lawson.co.jp

三社の7月の月次情報をまとめると下記の通りだ。すべて前年同月比での数字になっている。

  既存店客数 既存店客単価 既存店売上 全店売上
セブン-イレブン 94.4 102.3 96.6 98.8
ファミリーマート 96.4 101.9 98.3 98.1
ローソン 95.5 102.3 97.7 101.1

このように、ローソンはなんとか全店売上が前年同月比を上回っていて、成長しているが、ファミリーマートとセブン-イレブンは前年同月比を下回っていてマイナス成長している。

よくニュースでコンビニオーナーが苦しい、大変ということが報道されているのだが、3店舗ともに既存店売上高は前年同月比を下回っている。7月に来て既存店売上高が3社ともにマイナス成長しているのは、コンビニ自体から客が離れている理由があるのだろう。ちなみに既存店客数は3社ともに2019年度はずっとマイナス成長だ。客足は確実にコンビニから離れている

日経新聞によるとセブン-イレブンのセブンペイ騒動のおかげでマイナスになったのではないか?というが、それで言えばファミリーマートも7月1日にファミペイでサーバートラブルを起こしている。その後は特にトラブルらしいものが起きていないのはセブンペイとの違いではあるが。

とはいえ、QRコード決済を独自に導入した2社がマイナス成長というのを見ると、QRコードそのものが売上アップにつながらない可能性が高い。さらに言えば、QRコード決済をあまりに推奨しすぎると売上減につながるのではないか?という仮設も成り立つ。

コンビニはこのままではジリ貧だ

セブンペイのゴタゴタやセブン-イレブンの店舗オーナーの窮状などが報道されて久しいが、セブン-イレブンだけでなくすべてのコンビニはこのままではジリ貧は免れない。なんせずっと既存店客数がマイナスなのだ。リピート購入にも限界はあるし、客単価を大きく上げることも難しい。今のままではジリ貧なのだ。

そろそろビジネスの構造自体を変更することを考えないといけない時期なのかもしれない。